サイベースは6月16日、シャルレが同社の情報基盤システムにサイベースのDWH用データベース「Sybase IQ」を導入したと発表した。
シャルレでは、女性向けインナーを主体とする衣料品、化粧品等の販売を行っており、傘下の代理店や特約店における販売状況をはじめ、蓄積された膨大なデータを元に情報を分析することが、戦略を策定する上で必要不可欠となっているという。既存の情報システムが、パフォーマンスの劣化や利用、管理の複雑化といったな課題を抱えていたため、2008年春に新たな情報基盤の選定が開始された。
2009年1月に同社ではSybase IQの採用を決定。約2000万件のデータを使用した各種検索処理テストでの良好なパフォーマンスや、将来的なシステム拡張時の柔軟性やコストメリットが評価されたという。2009年11月には、既存システムとの並行運用で実稼働を開始し、2010年2月からは新システムとして単独での運用を開始した。
Sybase IQをコアとするデータベースサーバに格納された7年分、最大約8000万件の明細データは、ウェブサーバ上の分析ツールを介して、本店や支店などの各部門から利用される。以前のシステムでは約4時間かかっていた日次のデータローディングが1時間で完了できるようになったほか、5分かかっていた1カ月分の販売明細の集計処理も6秒で完了するようになったという。また、圧縮率の高さにより、過去20年分のデータ(約2億2000万件)を保持できるほか、その件数でも検索速度が劣化しないことが検証されたとしている。
シャルレでは、全社的な「見える化」を実現するための基盤としてSybase IQを導入し、会社全体の戦略意思決定や生産性向上に活用しているという。今後は、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールと組み合わせて利用し、状況把握をさらに直感的に行えるような仕組みを実現していく予定だ。