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仮説を見つけるBI、仮説を検証するBI、未来を見通すBI--いろいろな分析ツール - (page 2)

梅田正隆(ロビンソン)

2010-06-17 17:31

未来を見通すBI

 すでに発生した過去の事象について、その原因を突き止める分析も重要だが、これから発生するであろう未来の事象を予測できれば、ビジネスの成果につなげることができる。起こり得ることを予測する分析を「予測分析(Predictive Analytics)」と呼ぶ。

 予測分析は、たとえば金融機関の与信管理に利用されている。過去の実績からローンを返済できた顧客群と返済できなかった顧客群とを比較する。各群の違いから意味のあるルールを見つけ出して、予測モデルを算出し、それを新規顧客に適用することでリスクを判定することが可能だ。

 予測分析をビジネスに適用し、これからの需要を予測できれば、生産計画を立案したり、在庫を調整したりするときに役立つ。ただ、すでに本連載の第3回(作戦成功の裏には「インテリジェンス」あり--その大切さを国家レベルで考えてみる)で述べたように、どのようなテクノロジを駆使したとしても、将来何が起こるかという不確実性を克服することは困難だ。

 以前、ビジネス分析の分野に強いSAS Institute Japanでビジネス開発本部プラットフォームグループ部長を務める池本洋信氏に、予測分析の精度について尋ねたことがある。池本氏は「予測が当たるかどうかはわからない。ただ、予測の数字があるだけで、人の行動は変わる」と話す。

 池本氏は、たとえ話として、「天気予報の降水確率に基づく洗濯遂行の意思決定」について話してくれた。降水確率30%のとき、傘を持って出かけるかどうかは人によって異なる。同様に「降水確率30%のとき、人は洗濯するだろうか」という問題だ。同氏は「その人の置かれた状況によって変わってくる」と説明する。洗濯物がたまっている状態ならリスクを冒してでも洗濯するし、洗濯物が少なくて出かける予定があれば、明日まとめて洗おうと考えるものだ。「ほとんどの人は予測値を、行動を起こすときの参考にしている」と池本氏は言う。

 なるほど、予測分析の数値は行動になんらかの影響を及ぼす。売上予測で良い数値が出たら、ますます士気が上がるのかもしれないし、逆に良くない数値が出たときは、そうならないよう危機感を抱いて奮起するのだろう。確実に当たる予測は不可能であっても、正確なデータから導き出される信頼に足る予測は、不確実な未来に向かって進む人の道行きを照らす明かりとなるのだ。

 以上、今回は、BIで重要な役割を果たす分析ツールについて見てきた。次回は「集団的知性」を引き出すBIについて考えてみよう。

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