富士通は9月6日、全国の市町村が運営する公共図書館向けに図書館業務支援SaaS「WebiLis」を同日より販売開始することを発表した。
同サービスは、富士通のデータセンターから図書館業務支援ソフトウェアをインターネット経由で提供するもの。図書館はICTシステムを保有することなく、業務システムをSaaSとして利用できるため、インターネットに接続できるパソコンと周辺機器を用意するだけで、サービスが利用できるとしている。このため、「貸出管理」「返却管理」「予約管理」「目録登録」などを行う業務システムや、利用者のための予約・検索機能を有したICTシステム環境を、低価格で短期間に導入することが可能だという。
また、データセンターの専門要員がICTシステムの導入や運用・保守作業を代行することで、これにかかるコストが不要になるとともに、図書館の職員は業務の効率化が図れるという。さらに、同じ図書館内や同サービスを利用している公共図書館で働く職員間で情報交換できる「コミュニティ機能」を標準搭載。将来的には、同サービスを利用している全国の公共図書館職員のノウハウ交流、レファレンス事例共有などにより、図書館サービスの品質向上が図れるとしている。
目録データや貸出情報などの各種データについては、ファシリティ管理とセキュリティ対策を施した同社データセンターで管理する。また、個人情報は暗号化管理するとともに、ネットワーク通信はSSL3.0による暗号化通信を行うなど、セキュアなサービスを提供するという。
富士通では、公共図書館、小学校から大学までの教育機関、研究機関、博物館や美術館、観光案内所など、地域が持つあらゆる蔵書情報、電子書籍、資料のデータベースや各種ノウハウを住民が共同利用する「地域総合図書館」の確立を目指している。WebiLisは、その第1弾として、公共図書館を対象に提供するもので、今後、各図書館や機関を連携させていくためのサービスを順次提供していくという。富士通では、2013年度3月末までに約300団体がWebiLisを利用することを目指すとしている。