IDC Japanは10月6日、国内BA(ビジネスアナリティクス)市場の予測を発表した。
これによると2009年の国内BAソフトウェア市場は1201億6300万円で、前年比成長率マイナス0.9%。しかし、2010年1〜6月期のBA市場は、景気の先行きが不透明な中で好調に推移しており、2010年通期のBAソフトウェア市場は、1258億7800万円で前年比成長率4.8%になると予測している。
IDCでは、BAソフトウェア市場を構成する機能セグメントとして「データウェアハウスプラットフォーム」「BIツール」「アナリティクスアプリケーション」を定義している。セグメント別の市場規模では、2009年のデータウェアハウスプラットフォームとBIツール市場が前年比成長率でプラスとなっているという。
同社では、2010年の国内BAソフトウェア市場について、データウェアハウスプラットフォーム市場規模は585億6600万円で前年比成長率5.9%、BIツール市場規模は310億700万円で前年比成長率3.4%、アナリティクスアプリケーション市場規模は363億500万円で前年比成長率4.1%と予測している。これについて、BAソフトウェア市場は、増え続ける企業の情報やデータの分析要求に対応するビジネス機会が多く、本格的な景気回復を待たずに再び成長路線に入ったと見ているという。2009〜2014年のBAソフトウェア市場規模は、年間平均成長率(CAGR)6.0%で拡大し、2014年には1606億3200万円に達すると予測している。
また、2009年のBAソフトウェア市場におけるベンダーシェアは、オラクルが首位で26.8%、2位はSAPで13.2%、3位はIBMで9.9%とする。BAソフトウェア市場の上位5ベンダーの市場占有率は、2008年が61.3%であったのに対し、2009年は63.0%となり1.7ポイントの上昇となった。IDCでは今後、BAソフトウェア市場は上位ベンダーの寡占化が進むとみている。
IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティグループ グループマネージャーの赤城知子氏は「今後、企業のBAソフトウェアやソリューションに対する要望は早期ROIを確実なものにするBAスイート製品や、サーバ、ストレージ、BAソフトウェアが事前最適されたプリビルド製品など、垂直統合型製品を求める動きが強まっていくであろう。1社で垂直統合可能な製品ポートフォリオを持たないベンダーは、パートナーアライアンスの成否が成長のカギとなる。一方で、企業ユーザーが求めるBAソリューションの難易度が急速に高まっているため、BAソリューション専任組織の優劣が市場競争の勝敗を分けることになる」とコメントしている。