日本オラクルは8月5日、ソフトバンクモバイルが「Oracle Exadata」を活用し、通信事業やコンテンツサービス事業分野の情報分析基盤を全面刷新し、稼働を開始したと発表した。
ソフトバンクモバイルでは、契約者数の増加や多様化する顧客のライフスタイルに適したコンテンツサービスの拡充などにより、1日あたりのトランザクションが数十億件を超えていたという。そのため同社では、従来から利用していた情報分析基盤の処理時間の遅延や運用コスト増加へ対応するとともに、経営の意思決定を支えるトランザクション情報の迅速な収集、分析を行いたいという課題があったとする。
ソフトバンクモバイルでは2009年3月、これらの課題に対応するための情報分析基盤として「Oracle Exadata」の採用を決定。2009年7月に導入を実施した。その後、他社製のアプライアンス製品を活用していた情報分析基盤を、Oracle Exadataで再構築するプロジェクトを推進し、2010年5月に稼働を開始したという。
Oracle Exadataの採用決定にあたっては、事前の動作検証により旧システムと比較して分析時間が約4分の1に短縮できたこと、複数のデータベースとデータウェアハウスを統合できること、将来的なトランザクションの増加への対応が可能なこと、システム開発・運用コストの大幅な削減が可能なことなどがポイントになったとしている。
ソフトバンクモバイルでは、Oracle Exadataを活用した情報分析基盤によって、データロード、データ抽出、サマリ処理、分析処理、ログインのパフォーマンスを改善し、全体で約1.5〜8倍の高速化を実現したとしている。現在、この新情報分析基盤は、通信事業、販売、マーケティング部門など、約600名のユーザーが活用しているという。