SAS、2009年度下期のビジネス戦略を発表--「市場は見える化主体のBIから先を見通すBAへ」

ZDNet Japan Staff 2009年08月27日 14時36分

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 SAS Institute Japan(SAS)は8月26日、2009年度下半期のビジネス戦略に関する報道関係者向けの説明会を行った。

吉田仁志氏 SAS Institute Japan、代表取締役社長の吉田仁志氏

 代表取締役社長の吉田仁志氏は、複数の報道や調査会社によるレポートを引きつつ、リーマンショック以降低迷を続けていた経済環境が、2009年上期に持ち直しの気配を見せ、日本企業におけるIT投資の削減傾向にも底入れの兆候がある点に言及。「これらの兆候が本当のものであってほしい」としつつ、企業が先行き不透明な中で、コスト削減と収益の最大化、優良顧客の確保、リスク管理を行っていくために、同社の技術とノウハウをベースとした「予見力」がさらに重要となっている点を改めて強調した。

 IDCの調査によれば、2008年におけるビジネスアナリティクス(BA:Business Analytics)の市場は、世界規模で約242億ドルに達するという。この市場は、「データプラットフォーム」「(従来の)ビジネスインテリジェンス(BI)ツール」および「分析アプリケーション」を総合したものと定義されており、2008年のIDCによる調査では、ベンダーシェアにおいて、SASはこの市場の「圧倒的リーダー」に選出されているという。

 吉田氏は、ビジネスアナリティクス市場について「これまでSASが繰り返し述べてきたことに市場の状況が近づいてきた。つまり、従来の“見える化”を主軸としたBIは終わりを告げ、(総合的なソリューションである)ビジネスアナリティクスの重要性が認知されてきているということだ。SASははじめからビジネスアナリティクスを提供する企業である」とした。また、この動きの一環として、7月下旬に発表されたIBMによる統計解析パッケージベンダーであるSPSSの買収についても言及。「この買収が、SASのビジネスに与えるインパクトはほとんどない。(SASとSPSSは)共に統計解析パッケージをルーツに持つベンダーだが、現在ではユーザーの層も、企業規模も大きく異なっている」とした。

 2009年下期のビジネス戦略については、「これまでと特に大きく変わることはなく、従来から続けてきたビジネスアナリティクスのソリューションをさらに強化する」と述べた。従来からSASの強みとなっている複合ソリューションの提案を推進することで、拡大する市場でのプレゼンス、シェアをさらに高めていくという。

 2009年下期から2010年にかけてリリースされる予定の具体的な製品については主なものとして4つを挙げた。

 「SAS Profitability Management」は、従来の会計ベースではなく、トランザクションレベルでのデータ分析を活用することで、費用や収益を把握、配賦し、より高い精度での収益性分析を実現するソリューションだ。これまでよりもリアルタイム性に優れ、かつ顧客一人一人や製品個々のレベルまでの細かい粒度で状況を把握できる点が特徴となる。「今日、何が売れたかの結果を基に、明日、何が売れるのかの予測ができる」(吉田氏)ソリューションとして、通信、銀行、カード会社、消費財の製造販売といった業界への導入を進めていく。

 「SAS Risk Management for Banking/Insurance」は、金融業向けに特化したリスクベースの経営支援ソリューション。また、「SAS Fraud Management」は、金融取引などにおける不正利用検知・防止のためのソリューションである。トランザクションの特定のパターンなどから、クレジットカードなどの不正利用を検知できるという。

 そして「SAS Social Network Analysis」は、近年利用者が増えているソーシャルネットワークツールの利用状況やコンテンツを可視化、分析し、パターンとトレンドを検知するソリューションという。利用シーンとしては、自社や自社製品に関する情報が、ソーシャルネットワーク上にどのように分布しているかを知り、マーケティングの側面で利用するといったもののほか、企業に対してネガティブな情報が流布していれば、その経路を把握して、そうした情報の拡散を防ぐための施策を検討するといったこともできる。また、それ以外にも、複数のデータベースレコードのリンク情報から、収益の高い顧客セグメントを見つけだすといった応用的な使い方や、SAS Fraud Managementなどとの組み合わせで、個人間の通話のコールパターンやトランザクションパターンなどの関係性を分析し、不正検知に役立てることもできるとする。

 各製品の出荷時期は、「SAS Profitability Management」が8月中、その他の3製品については、今後1年以内の予定という。

 吉田氏は最後に、これらの製品とツール、そのプラットフォームを統合的に提供できるSASの強みを改めて強調。「今後、景気が向上していく中で、勝ち昇っていく企業には必ずSASが入っているという状況を作りたい」と述べた。

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