アドビ システムズ(アドビ)は10月18日、PDF文書作成管理ツールの最新版となる「Acrobat X(テン)日本語版」を発表した。同社コマースサイトであるアドビストアでの予約受付は同日より開始されており、パッケージ製品は12月1日より順次提供を開始する。
Acrobat Xにおける強化ポイントについて、同社では「“コミュニケーション”“コラボレーション”“セキュリティ”に関連する新機能を搭載した」(アドビ、マーケティング本部長の伊藤かつら氏)と説明する。
具体的な新機能は、「情報収集」「ドラフト作成」「コラボレーション」「データ収集」「更新管理」「共有・配信」といった情報活用の各プロセスに、それぞれ当てはまるものが用意されている。
例えば、情報収集のプロセスに関する新機能としては、OCRの認識率やデータの圧縮率が向上した。また、従来のInternet Explorerに加え、Firefoxでも利用可能なウェブキャプチャツールが新たに追加される。
ドラフト作成のプロセスに関するものとしては、目的によって機能が集約され、よりユーザービリティを高めた新たなツールメニューが用意されている。また、文書作成のテンプレートとしてPDFを使えるよう、PDFからWordやExcel文書の形式でファイルを保存する機能が新たに追加された。そのほか、アドビ製の他のアプリケーションにも搭載されている「アクションウィザード」機能をAcrobatにも追加し、Acrobat上で行う定型作業の自動化を可能にしている。
共有や更新管理においては、企業内文書の活用プラットフォームである「Microsoft SharePoint Server」との連携が可能になる。これにより、WordやExcel、PowerPointなどのOffice文章と同様の方式でPDFを共有し、Adobe Readerを使ったバージョン管理なども容易になるという。Acrobat上から、ドキュメントのポートフォリオやレイアウトを、サムネールを用いた視覚的なユーザーインターフェースで編集することも可能という(Proのみ)。
さらに、アドビが提供する文書共有サービス「Acrobat.com」との連携が可能になる。Acrobat XとAcrobat.comとの連携により、「共有レビュー」「フォームによるデータ収集」「リアルタイム画面共有」といった機能がより利用しやすくなるとしている。