独立系としては世界最大のビジネスアナリティクス(ビジネス分析)企業であるSAS Instituteは10月26日(米国時間)、米ノースカロライナ州キャリーにある本社に各国のプレスを招いて「SAS Media Day 2010」を開催した。
事実に基づく意志決定が主流の戦略に
同社のSenior VP兼CMOのJim Davis氏は、SASの現状を概観し、経済危機が同社にとっては追い風になっているとした。
この1年ほどは、市場でも意志決定を支援するためのアナリティクスの重要性が認められてきたとし、「2009年は“Awakening”(気付き)の年、2010年は“Establishment”(確立)の年」と位置づけた。同氏は、「アナリティクスと“事実に基づく意志決定”(Fact based decision making)が企業におけるメインストリームストラテジーになってきた」という。
これを受けて同社の業績も成長を続けており、2009年の売上は23.1億ドルを記録した。この結果、1976年の創業以来34年連続で増収増益を記録し続けているという。
SAS Institute――その成長の軌跡
Davis氏によれば、SASの成長過程は大きく3つのフェーズに分けられるという。
第1フェーズは創業の1976年〜1985年頃までで、この頃同社は市場が求めるデータアクセスエンジンなどの製品や技術を提供していた。
第2フェーズの1995年ごろからは、企業の問題解決を支援するためのソリューションの提供に注力を始めた。この頃はまず機能に注目した水平型のソリューションを提供していたという。
そして、2000年頃からは第3フェーズとして、業界別の垂直型ソリューションの提供に注力し始めている。