ビットアイル、ブロケードコミュニケーションズ システムズ(ブロケード)、日本IBMの3社は11月9日、3社協力のもと、ビットアイルが「Cloud ISLE」ブランドで展開するクラウドコンピューティングサービスの次世代統合サービス基盤を構築したと発表した。
ビットアイルでは、クラウドコンピューティングの利用規模拡大に伴い、データI/Oやネットワークのボトルネックなどが引き起こすパフォーマンス低下や安定性低下などの問題に抜本的に対処するため、最新のサーバ、ストレージ、ネットワーク機器を導入。次世代サービス基盤を構築したという。
サーバファームには、IBMの最新x86サーバ「IBM System x」シリーズをベースに、仮想リソースプールと物理リソースプールを構築。システム要件に最適なサーバリソースの選択、組み合わせを提供できる環境を整えた。ストレージファームでは「IBM SANボリュームコントローラー」を用いたストレージ仮想化と、大容量キャッシュの効率的な利用によってパフォーマンスを極限まで高めることによって、データI/Oのボトルネックを解消したという。また、冗長構成をとることで、信頼性、堅牢性、可用性を確保したとしている。
ネットワークファームにおいては、広帯域のインターネット接続回線と、ファイアウォール機能、ロードバランサ機能を標準提供することで、高度なネットワーク機能要件と大量のアクセストラフィックに対応する。加えて、一般的なクラウド基盤でシステム性能のボトルネックとなるサーバ間通信を「Brocade 8000」による10Gbpsイーサネット化により高速化した。ファイバチャネル・オーバー・イーサネット(FCoE)技術によりファイバチャネルの信頼性と性能を維持しつつ、IPネットワークとストレージネットワークを統合し、シンプルな構成で拡張性と運用効率化を実現したという。
ビットアイルは、この新基盤と従来のデータセンターサービスをもとに、ユーザーが求めるインフラ要件に対応する多様な選択肢を持つサービスを提供できるという。ブロケードと日本IBMは、新基盤の設計、構築にあたり、製品の提供に加えて、技術情報や各種検証の後方支援などを提供するほか、今後の運用においても技術的なサポートを提供していくとしている。