コミュニケーション力をさらに高めるための10のやり方 - (page 2)

富永恭子(ロビンソン)

2011-02-24 14:00

#4:伝えたいことを英語にしてみる

 これは、グローバルな時代だからとか、英語でのプレゼンを勧めるとか、職場の公用語を英語にするなどという大層なことではない。伝えたいことを英語に訳してみると、その弱点がわかりやすいという話である。だから、英語に自信がなくても、つたなくてもいい。

 たとえば企画書を英語にしてみる。もし、言いたいことが簡単な英語に翻訳できないようであれば、その企画はまだ「ゆるい」のだ。それは、そこに含まれるさまざまな要素が整理されておらず、簡潔な言葉にまとまっていないということで、つまりは、説明しにくいということになる。そして、説明しにくいのは、主張やコンセプトが弱いからなのだ。そんなものをいくら提案しても相手の心には届かない。タフなコミュニケーションを生み出すためには、こうしたトレーニングもときに有用だ。

#5:自分の提案を他人のつもりで見る

 質の高いコミュニケーションをするためには、自分が伝えたいことが、本当に相手に伝わるかを検証することも大切だ。そのためには、時間を置いて見つめ直す必要がある。たとえばプレゼンの場合、本当の締め切りとは別に、前倒しした自分の締め切りを決めてみるのはどうだろう?

 予定より企画書を早く仕上げてから、いったん別の仕事をしたり、気分転換に趣味に勤しむかして数日「寝かせる」。そして時間が経ってからもう一度、企画書を見直すのだ。「寝かせる」ことで余裕ができ、主観だらけだったものを客観的な視点で見ることができるというわけだ。このひと手間によって、伝える効果が高まり、提案が成功する可能性もアップする。

#6:たまに「擬態語」を使ってみる

 インターネットを使い、メールをやり取りすれば、顔を突き合わせなくても仕事ができる時代だ。ともすれば一度も面識のないまま、仕事を終えてしまうことだって珍しくない。メールは今や仕事には必需品だし便利だが、その手軽さに依存しすぎてしまうと、トラブルの原因となることもある。

 自分としてはちゃんとコミュニケーションしているつもりでも、ニュアンスや意図が十分伝わっていなかったりすることがある。互いに一方通行のコミュニケーションになって、間違いだらけの伝言ゲームに陥るような事態は避けたいものだ。

 そんな時は、あえて擬態語を使う方法もアリだと思う。たとえば同じ「青」でも、「カラッとした初夏の空のような青」と「どんよりとした真冬の海の青」では雰囲気がだいぶ違う。もちろん、擬態語だらけのコミュニケーションは誤解の元だが、こうした言い回しを使うことで、先の項で述べた「イメージ」での認識共有が行えるメリットは活用したい。

#7:煮詰まったときには脱線してみる

 例えば会議の時間が長引けば長引くほど、参加者みんなの頭がぼおーっとして、考えはまとまらなくなる。しかも、そもそもの会議の主旨や目的がなんだったのかさえ、わからなくなることがある。もちろん、1人でやる仕事も長時間つづけていると煮詰まってくるものだ。

 そんなときは、いったんその場から離れ、時間をとってみるべきだ。一度目の前の作業から目線を外すことで、新しいアイデアが浮かんだりもする。

 哲学者のカントやヘーゲルが散歩を日課にしていたことは有名だ。身体を動かしていると、思考はシンプルになる。煮詰まったときには、いったんクールダウンすることで、思考の袋小路から脱却できることが多い。

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