宮崎県における高病原性鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ)の発生を受け、富士通は、昨年の「口蹄疫復興支援システム」に続き、同県での情報集約を目的とした「鳥インフルエンザ防疫対策支援システム」を構築した。2月中旬から一部が稼働し、運用を開始している。今後は、段階的に養鶏関係者などの利用者を拡大していく予定だ。
鳥インフルエンザ防疫対策支援システムは、宮崎県内の全養鶏農家(100羽以上を所有)情報をデータベース化し、各農場の毎日の死亡鶏情報などの情報集約を支援するクラウドシステム。同システムは、富士通のSaaS型「CRMate」を利用して構築されたという。
SaaS型CRMateは、顧客情報管理、問い合わせ管理、商談管理の機能を備えたサービスで、SaaSの特長を活かし、短期間、低価格でシステムの構築を実現するという。また、テンプレートを応用することにより顧客情報管理以外にも活用できることから、2010年には、厚生労働省の新型インフルエンザ罹患情報管理サービスや、宮崎県の口蹄疫復興支援システムなどにも導入されている。
同システムでは、宮崎県が行っている養鶏農家情報の一元管理や日々の死亡鶏の羽数報告、取りまとめなどを行っている。養鶏関係者などが同システムを活用して、農場ごとの死亡鶏状況日報を県に直接報告することにより、より迅速で正確な情報集約が可能になるという。さらに、対応の進ちょく管理の効率化や各種情報の共有体制の強化なども図れるため、家畜保健衛生所などにおける異常鶏の早期発見や鳥インフルエンザ罹患の早期通報によるまん延防止を支援するとしている。
富士通は、今後、農場や埋却予定地などの地図情報なども同時に検索できるよう、付加情報の拡充などを行う予定としている。