高級宝飾品を取り扱うスイスの企業「Compagnie Financiere Richemont(リシュモン)」は、セキュリティ強化を目的に富士通の手のひら静脈認証装置「PalmSecure(パームセキュア)」を搭載した入退出管理システムを導入した。高級ブランド製品を扱う約数千人の従業員の入退出管理を対象に、1月より運用を開始しているという。
リシュモンは、カルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル、ピアジェ、モンブラン、ダンヒル、ヴァシュロン・コンスタンタンなどを保有する3大ブランドホールディングのひとつで、全世界で高級宝飾品の販売を行っている。同社は、高品質なブランド製品の提供を目的としてセキュリティ対策を強化しており、指紋認証技術を搭載した入退室管理システムをいち早く導入し、高級ブランド製品を扱う施設への不審者の侵入防止に取り組んできた。しかし、指紋認証技術では、乾燥や手荒れで認証できないケースがあるなど、認証精度に課題があったという。
今回同社は、セキュリティ強化を目的に1人ずつしか通り抜けができない「共連れ防止対応ドア」を採用。ドアの強化に合わせて、PalmSecureを搭載したSensometrix製の入退室管理システム「SensoBoxプラスSensoBrain(センサーボックスプラスセンサーブレイン)」を導入したという。
SensoBoxプラスSensoBrainは、PalmSecureを搭載したSensometrix製の入退室管理システム「SensoBox」に、同社が開発したアクセラレータソフト「SensoBrain」を搭載することで、認証対象規模の拡大を図ったもの。入退出管理に、高精度な本人認証を行える手のひら静脈認証装置を導入することで、本社オフィスへの不審者の侵入を確実に防止するとともに、万が一の盗難発生時の早期対応を行える仕組みを構築したという。富士通によれば、数千人を対象に非接触手のひら静脈認証技術を搭載した入退出管理システムを、暗証番号などと併用せずに運用するのは世界初とのこと。