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静岡大学、情報基盤利用と入退室を一元管理する生体認証統合システムを実運用

富永恭子(ロビンソン)

2010-04-16 08:30

 静岡大学は4月15日、学生や教職員、関係者約2万人が使用する学内情報基盤システムと、建物や研究室の入退室管理システムを一元化した「生体認証統合システム」の実運用を開始したことを発表した。

 建物や研究室などの出入口に設置される「指静脈・ICカード認証装置」と、静岡大学の学内情報システムが設置されているクラウドコンピューティングセンター内のシステムを連携させた国公立大学では初めての例だという。

 従来、情報システムにログインする場合と、学内の主要個所への入退室を行う場合はそれぞれ異なる認証手段を用いなければならなかった。静岡大学は、2004年に当時の「情報セキュリティ管理システム(ISMS)」の国際認証である「BS7799」を大学として世界で初めて取得したという。

 その後、それが発展した形の「ISO27001」を2007年に取得するなど、先進的なISMSの確立を目指したとしている。それに伴い、入退室管理システムの導入を図ってきたが、同時に情報システム認証や入退室システム認証の複雑化の問題の解決も必要となってきたという。

図 生体認証統合システムのイメージ
※クリックすると拡大画像が見られます

 今回開発したシステムでは、利用者自身のみが有する指静脈情報で入退室から情報システムの利用がシームレスで可能になったという。また、統合認証システムの導入で本人を確認できる「パスワード発行機」を開発し、パスワード発行の完全自動化を実現。PCを使用するたびに、新しいパスワードを発行することで、利用者はパスワードを記憶する必要がないという。

 指静脈を登録すれば、学生証や教職員証をICカードリーダにかざすだけで指静脈認証で開錠操作できる「入退室管理装置」を導入。専用カードの発行や個別の登録手続きが不要になったとしている。教職員の出退勤管理や授業の出欠管理、証明書の自動発行などが簡単に自動化できるようになるとともに、なりすましや偽造の危険性のない、堅牢で安全な情報システム基盤が整備されたとしている。

 今回のシステム構築は、NTT西日本静岡支店とフィット・デザイン・システム(FDS)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が担当した。最適なチューニングを実施したため、通常の場所での読取認証成功率は90%を超えたという。チューニングは設置場所ごとに異なるセキュリティ要求水準に応じて行えるとしている。

 採用した指静脈読取装置(FDS製)は、2万ルクスまで動作保証され光の外乱に強いため、屋外にも柔軟に設置できるという。建物の出入口に設置しても読み取りの成功率に影響を与えないことが確認されたとしている。

 静岡大学では、利用者の指静脈情報登録を推進し、2010年度中に学生や教職員、関係者約2万人のほぼ全員が登録完了する見込みだという。指静脈認証装置は数年以内に学内のほとんどの主要建物やフロア、研究室、教室など約700カ所に設置する予定だとしている。今後は、教職員の勤怠管理、学生の出欠管理などにも適用していく予定だという。

 システム構築を担当したNTT西日本とFDS、CTCの各社は、今回実現したさまざまな技術、運用はそのまま企業や自治体などのほかの組織に適用可能なことから積極的な営業展開を行う方針だとしている。

 静岡大学のキャンパスには数十のビル、フロアが数百、1000以上の部屋があるという。各部署ごとにセキュリティ管理してきたために、磁気カードやICカード、テンキー入力などさまざまな認証手段が必要となり、1人で数十種類のカードを常時携帯する必要があったり、多くのパスワードを記憶しなければならないといったことがあったとしている。

 静岡大学は、従来の認証方法を抜本的に見直して、生体認証で情報システムと入退室管理システムを統合するシステムを開発するプロジェクトを2009年11月から開始。指静脈認証の研究から今回の統合認証システムに指静脈認証を全面的に採用している。

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