新たにリリースされた「Windows Small Business Server 2011」(SBS 2011)には、いくつかの大きな変更が盛り込まれている。本記事では、新たに提供される機能と、このリリースにおけるより複雑な側面について解説する。
MicrosoftのWindows Small Business Serverは、これまでにも数多くの小規模企業におけるWindowsネットワークの管理方法に変化をもたらしてきた。新たなバージョンが登場するたびに、重要な変更が盛り込まれてきたのである。例を挙げると、Windows Small Business Server 2003においてExchange Server 2003サービスが搭載され、その後継であるWindows Small Business Server 2008ではHyper-Vがライセンスされるようになった。これらの変更は小規模企業や、そういった企業をサポートするITプロフェッショナルに多大な影響を与えてきた。そして、この伝統を受け継いでいるSBS 2011にも、重要な変更が数多く盛り込まれている。
1:すでにリリースされている
MicrosoftはすでにWindows Small Business Server 2011をリリースしている。本記事執筆時点では、SBS 2011 Standardと、オプションであるSBS 2011 Premium Add-onがリリースされており、SBS 2011 Essentialsのリリース日も2011年前半に予定されている。
2:2つのエディションが存在している
Microsoftによると、同社はSBS 2011として2つのエディションを用意しているという。その一方で、ITプロフェッショナルのほとんどは、SBS 2011が3つのバージョンのラインアップであると考えるだろう。こういった違いは、MicrosoftがSBS 2011 Premium Add-on(1604ドル)を、その名前が示す通りアドオンコンポーネント(1096ドルのSBS 2011 Standardプラットフォーム用)であると見なしており、個別のエディションと見なしていないことに起因している。なお、もう1つのエディションであるSBS 2011 Essentialsは545ドルであり、最大で25のクライアントをサポートするようになっている。
3:Premium Add-onによりSQLが追加される
Small Business ServerプラットフォームにSBS 2011 Premium Add-onを導入することで、SQLの使用が可能になる。つまり、データベースの一元管理を行う必要があるような、規模が大きめの中小企業やホームオフィスでは、SQL Serverを必要とするビジネスアプリケーションの利用にはアップグレードが必要となるわけである。SBS 2011 Premium Add-onを導入することで、SBSプラットフォームはSQL Server 2008 R2 for Small Businessにアクセスできるようになる。なお、SQL Server 2008 R2 for Small Businessは、SQL Server 2008 R2 Standardと同等の機能を有しているものの、その利用が許されているのはSBS 2011環境においてのみとなっている。