アイ・ティ・アール(ITR)は4月26日、ウェブ会議市場の市場規模とベンダーシェアを発表した。
調査結果によると、国内ウェブ会議市場は、2010年度の出荷金額が約64億円で、前年から19.1%増の伸びを示した。ITRでは、出張コストの削減策という用途に加え、教育やセミナーなどでも利用されることから、用途の多様化が成長の要因と分析している。
今後の見通しについては、在宅勤務需要が増加することから、市場はさらに拡大すると予測。なかでもSaaS型のウェブ会議市場は、2010年度が前年比38.7%増の43億円で、2011年度も引き続き好調な伸びを示すと予測している。また、2010年度のウェブ会議市場全体に占めるSaaS型のシェアは66.9%で、2011年度も拡大すると見ている。
2010年度のSaaS型ウェブ会議市場のベンダーシェア(出荷金額ベース)では、SaaS販売へと急速にシフトしたブイキューブが1位を堅持し、シェアを30.2%に拡大。2位には「SaaSモデルの先駆者」(ITR)のシスコシステムズが22.1%。以降、3位はNTTアイティで12.1%、4位はジャパンメディアシステムで6.3%、5位はITXで4.0%だった。
ITRのシニア・アナリストの舘野真人氏は、「ウェブ会議システムの用途は、“個人間コラボレーション”や“チーム・ミーティング”といった従来からのものに加えて、社外の取引先との情報交換を目的とした“社外コラボレーション”、社員研修などを目的とした“教育/トレーニング”、経営トップのメッセージを全社員に伝えるなどの“全社会議”といった用途も注目されています。今後の社会情勢の変化によっては、電話やメールを補完する重要なコミュニケーション・インフラとして、一気に企業に浸透する可能性も秘めていると見ています」とコメントしている。
本調査は、グループウェア、ワークフロー、ウェブ会議、テレビ会議の国内37社のベンダー製品を調査し、国内市場規模と動向をまとめた「ITR Market View:コラボレーション市場2011」に収録されている。
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