NECは5月17日、神奈川県下11町村(葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、山北町、開成町、真鶴町、愛川町、清川村)に対し、基幹業務である財務会計システムと電子決裁システムをクラウドサービスで提供すると発表した。
第1弾として、寒川町など6町村で10月から利用が開始され、他町村においても現行システムの切り替え時期に合わせて順次開始される予定だ。
同社では、地方公共団体の基幹業務システム(住民情報、財務会計、人事給与など)をデータセンターからクラウドサービスとして提供する「GPRIME for SaaS」を2010年1月から販売している。今回導入が決まった11町村は、GPRIME for SaaSが提供するシステム機能のうち、「予算編成」「歳入/歳出」「出納」「決算」などの管理を行う財務会計システムと、行政事務の電子化に不可欠な電子決裁システムを、NECのデータセンターからネットワーク経由で利用するという。
神奈川県下11町村はこれまで、それぞれ独自に基幹システムを構築、運用しており、システムにかかるトータルコスト(TCO)の削減、職員負担の軽減、環境変化への迅速な対応などが課題となっていという。財務会計業務は、決算統計の県への報告資料、議会説明資料、監査資料など、各町村が運用面で共通化しやすい部分が多く、共通システムの利用で業務効率化やコスト抑制につなげられるという判断から、今回のクラウドサービスの導入に至ったとしている。
11町村ではサービスの導入にあたり、従来の財務会計業務プロセスの見直しと標準化を図ることで、当該システムにかかるTCOの約30%を削減するとともに、高いセキュリティレベルと信頼性が確保されたデータセンターを利用することで情報漏えいの回避や災害時の事業継続性を確保するとしている。加えて、これまで自前のシステム運用にかかっていた職員のリソースを住民サービスの強化に活用することで、一層の住民満足度向上を目指すという。