矢野経済研究所は7月26日、スマートフォン市場の調査結果を発表した。2010年度の国内市場におけるスマートフォンの出荷台数は、前年度比の4倍以上となる850万8000台となった(2009年度は217万5000台)。同研究所では、スマートフォン人気の高まりと環境整備が進んだ結果、年末商戦以降、新製品導入が相次いだためとみている。
2011年度の国内市場におけるスマートフォンの出荷台数は2010年度の2.5倍となる2131万台と予測。国内市場ではスマートフォンは主力商品と位置付けられ、通信事業者のラインアップの主力を形成しているという。同研究所は、国内外の主要メーカーがスマートフォンをラインアップしており、2011年度の出荷台数の過半数がスマートフォンになると予測している。
世界全体のスマートフォン出荷実績は、2010年が前年の1.5倍となる2億9593万6000台となった(2009年1億8955万4000台)。導入で先行していた欧米市場に加え、アジアや中南米の新興国、途上国などでもスマートフォンの需要が急増した。携帯電話大手メーカーがスマートフォン市場に本格参入したことで、オープンプラットフォームを採用した製品の出荷が増加したと同研究所は説明している。
世界全体の2011年のスマートフォン出荷台数は、前年の1.6倍の4億8374万3000台に達する見込みだ。同研究所では、東日本大震災の影響でスマートフォン向けの部品や材料の供給リスクが伴うが、スマートフォンの需要は旺盛で、年末商戦に向けて盛り返す見通しだとしている。
調査は、国内移動体通信サービス事業者5社、国内携帯電話メーカー5社、海外携帯電話・スマートフォンメーカー15社、海外ODMメーカー5社、海外PCメーカー4社、国内半導体メーカー5社の計39社を対象に、3~6月に直接面談、電話やメールによるヒアリングで実施した。