北都銀行は、審査支援システムをクラウドで刷新し、9月より本格稼働させる。新システムは電通国際情報サービス(ISID)の地域金融機関向け統合ソリューション「BANK・R」の「格付・自己査定」システムを、ISIDのクラウドサービス基盤「CLOUDiS/IaaS」上に構築した。システムを構築したみずほ情報総研とISIDが8月31日に発表した。
北都銀行が属するフィデアグループでは、銀行経営の効率化を目的とした銀行業務のオープンプラットフォームへの統合を積極的に推進している。北都銀行でも、2009年に経営統合した荘内銀行とともに、持株会社のフィデアホールディングスへの企画・管理部門の集約とともに、ミドルおよびバック業務の統一化によって、効率的な経営管理体制の構築を進めている。
今回のシステム刷新の対象となった業務は、融資先の信用格付と自己査定を随時判定、更新する領域。今回、北都銀行では、荘内銀行が2006年に導入し、格付・自己査定業務の最適化と効率化を実現した「BANK・R 格付・自己査定」システムの導入を決定。加えて、将来のプラットフォーム統合を考慮し、クラウド基盤上への構築を決定したとしている。
新システムでは、信用格付業務と自己査定業務を一連の業務として捉え、業務の最適化と効率化を図る。北都銀行では、新システムの稼働により、フィデアグループとしての統一した融資先評価を行える環境を構築、信用リスク管理の更なる高度化を図るとともに、自己査定業務の本部集約による業務効率化を実現できたとしている。
今回、ISIDのCLOUDiS/IaaS上でシステムを構築することにより、採用決定からサービス開始まで4カ月という短期導入を実現している。さらに、金融機関の業務システムに求められる高度な信頼性と可用性を備えたクラウドサービス基盤の採用により、耐障害性のさらなる強化とともに、ハードウェアの維持管理と更改に伴うコストの削減を実現することができたとしている。
BANK・Rは、地域金融機関の経営課題にフォーカスし、融資や審査、営業チャネル構築、リスク分析など、高い専門性が求められる領域の業務に特化したパッケージ。業務ごとに機能を分けたモジュールによって構成され、業務優先度の高いシステムから段階的にシステムを構築できるという。
今後、みずほ情報総研は、金融系ITソリューションプロバイダーとして、引き続き地域金融機関をはじめとする銀行業界の情報システムの充実と高度化、ITインフラのレベルアップを強力に支援していきたい考え。ISIDは、今後も地域金融機関の業務の高度化と効率化を支援するBANK・Rシリーズの強化を図るとともに、各金融機関のニーズに応じてクラウド環境での提供にも積極的に取り組む意向を示している。