IDC Japanは10月24日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場に関する調査結果と予測を発表した。2011年上半期の市場規模は、前年同期比2.1%増の991億3600万円だった。震災の影響は限定的で、堅調に成長していることが明らかになっている。
IDCでは、2011年前半は東日本大震災の影響を考慮し、IT支出意欲の減退、電力供給不足による部材不足、生産および試験の遅れといった市場成長阻害要因から、一時的なマイナス成長を予測していた。しかし、9月までのベンダーおよびシステムインテグレーターを対象にした調査の結果、同市場での震災の影響は限定的であることが判明するとともに、特定セグメントでは事業継続性計画(BCP)対策の案件増加を背景に、堅調に成長していることが判明したという。
IDCではこの調査結果から、2011年5月時点の前回予測(前年比2.1%減)を上方修正し、2011年の国内UC/コラボレーション市場は前年比0.8%増の1864億1000万円と予測。2011年下半期以降は復興需要やモバイル関連ソリューションの成長により、2010~2015年の年間平均成長率(CAGR)2.8%で成長し、2015年には2124億9900万円の規模になると予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの眞鍋敬氏は、「ベンダー/通信事業者は、ユーザーが使いたい/利用頻度が高いUCシステムの提供にシフトすることが重要である。このために、モバイルデバイス市場の成長やBYOD(Bring Your Own Device)を活用して、ユーザーの利用機会を積極的に増加させるボトムアップ戦略がキーポイントとなる」とコメントしている。