ミドルウェアで社会イノベーションに貢献--日立 OMW Cloud Day

小泉蔵人 2011年11月25日 16時36分

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 日立製作所は11月17日、東京・六本木の東京ミッドタウンホールでクラウドやミドルウェアに特化したプライベートイベント「Hitachi Open Middleware World Cloud Day」を開催した。

 主催者講演では同社ソフトウェア事業部 先端情報システム研究開発本部 本部長の三木良雄氏が「クラウド時代の社会イノベーションに貢献するオープンミドルウェア」と題して講演した。

社会のエネルギー最適化を目指す「社会イノベーション」

 三木氏はまず、クラウドサービスの普及によってユーザーは多種多様なサービスを「いつでも・どこでも」利用でき、いわば「高度なユーザー体験が日常化した」社会になったと話す。その具体例として日立が取り組んでいる電力や交通などの社会インフラ事業と、情報通信の事業の融合による次世代交通システムを挙げた。

 「交通システムの場合、運転にITを活用することで走行支援(リアルタイムの渋滞情報など)やサービスが実現します。一方、ITシステム側には大量データが発生します。このデータをCEMS(コミュニティ・エネルギー・マネジメント・システム)やHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)と呼ばれるスマートエネルギーの管理システムへフィードバックし、社会全体の利便性向上と、エネルギー利用の最適化を図っています。エネルギー利用の最適化は、社会の隅々で発生しているムダなコストの削減といった社会メリットへとつながります」(三木氏)

 クラウド化によって発生する多種多様で膨大な量のデータを分析、知識化して社会へとフィードバックし、社会環境や生活をより良いものにしていく。こうした事業を日立では「社会イノベーション」と表現している。そしてこれらの事業をより加速するために磨かれてきたクラウド関連技術を体系化したものが「Harmonious Cloud」である。

技術体系「Harmonious Cloud Framework」とミドルウェア

 続いて三木氏は、昨今のクラウド環境の構築で特に重視される要件として、次の3つのポイントを挙げた。

  1. リソースの迅速な調達
  2. 業務サービスの簡単な構築
  3. サービスの安定稼働

 このうち2と3はクラウド以前から変わらないITへの仕様要求ではあるが、クラウドの「いつでも・どこでも」のために今まで以上に高度化している。三木氏によると、上記の3つのテーマに対して、下記のような製品やソリューションが対応しているという。

1:JP1/IT Resource Management

 リソース検索、リソース予約、サーバ配備、使用実績の確認などの機能を提供する。運用ライフサイクルの最適化やITリソース割当の適正化を行う。

2:Cosminexus

 PaaS環境管理技術を提供する。基盤設計構築や再構成などの容易化、自動化、業務および用途別管理、そして可視化によって設定管理の負荷を軽減する。

3:JP1/IT Service Level Management

 サービスの安定稼働を支援する。サービス利用者の実際のアクセス状況を収集、分析して適正化。サービスレベルの最新状況を監視し、品質の維持と向上をサポートする。

 これらの技術は「Harmonious Cloud Framework」として体系化されており、クラウド環境構築を包括的に支援するとのことだ。

情報爆発時代の大量データの処理

 クラウドの普及に伴い、現代は大量データが発生する情報爆発の時代である。三木氏は、こうした大量データ処理も日立のミドルウェアが支援すると説明する。その要件と対応製品については次の通りだ。

リアルタイム監視

 大量データ時代ではリアルタイム監視が欠かせない。「生物の反射神経に相当する瞬発力が必要です。センサーや稼働状況などから発生したデータに対し、蓄積せずに逐次処理を行う新技術『ストリームデータ処理』を用意しました。メモリ上に処理系を持つuCosminexus Stream Data Platformによって、『今何が起きているのか』あるいは『何が起きそうか』という分析を行えます」(三木氏)

蓄積と検索

 時系列データに対して、カラム単位でのデータ圧縮や検索を高速化する技術を提供する。また、東京大学と提携して数百倍の検索性能を引き出す新しいデータベースエンジンを開発中だ。三木氏によると「リレーショナルエータベースの重さを克服する画期的な製品。2012年度中にお届けできる予定」とのことだ。

集計と分析

 グリッドバッチによる集計と分析を提供する。Hadoopの並列実行基盤がこの位置づけになる。uCosminexus Grid Processing Serverがデータの分割と実行を担う。計画的な実行、ファイル分割やレコード数の上限値を設けるなどの厳密な設計が可能で、精度の高い処理時間が見込める。「いわゆるバッチの突き抜けが起こらず、分析処理が大きく改善できます」(三木氏)

 最後に三木氏は、日立製作所は協創のパートナーとして新しい価値、社会イノベーションに貢献していくとしてまとめ、主催者講演を終えた。

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