日立製作所は11月24日、クラウド事業に関する報道陣向け説明会を開催した。クラウド事業にビッグデータとスマートインフラ向けのサービスを追加し、グローバルに事業を展開する。クラウド関連事業で2012年度に売上高2000億円、2015年度に5000億円を目指す。
今回追加されたのは「ビッグデータ利活用サービス」と「スマートインフラサービス」の2つ。メガトレンドとも言える「ビッグデータ」、そしてさまざまな機器を連携させることでより効率的な社会の実現を目指す「スマート」に対応したといえる。日立では両サービスの提供に合わせ、同社のクラウドソリューションの体系である「Harmonious Cloud」を整備し、新たに「データ利活用環境」と「情報制御連携環境」も用意した。
佐久間嘉一郎氏
ビッグデータ利活用サービスでは、利活用に関するコンサルティング、システムの設計と構築、運用までを提供する。Hadoopのアセスメントサービスで蓄えた実業面での成果などを盛り込み、同社の強みである保守業務と現場監理に加え、「今後の成長が見込まれるヘルスケアと通信」(同社執行役常務 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEO兼クラウド事業統括本部長の佐久間嘉一郎氏)を中心に提供していく予定だ。
佐久間氏が「社会インフラでIT活用にニーズがある」と述べる通り、スマートインフラサービスでは社会インフラのスマート化を提供、ここでもコンサルティングから運用までを手がける。日立では2009年7月にグループを再編し、社会イノベーション事業の強化を掲げていたが、佐久間氏も「グループの実用ノウハウをフルに活用する」と強調している。
戦略面では、クラウド事業のグローバル展開を加速させる。米Hitachi Data Systemsを中心にビッグデータ対応のクラウドソリューションを展開する。Hitachi Data Systemsは9月にNASベンダーのBlueArcを、10月にデータセンター向けソリューションを手がける南アフリカのShoden Data Systemsを買収している。
佐久間氏は海外展開についても「日立グループの総力を結集してグローバルに展開する」と述べ、国内グループだけでなく海外も含めた事業展開について意気込みを見せている。