次に、IEまたはFirefoxを使用してアクセス可能なPower User Portalを紹介します。
下記の図2は、Firefoxを使用してRHEV-Mのユーザー向けのPower User Portalにアクセスした画面です。これはRHEV3.0から新しく追加されたポータルで、Power User Portalでも図2と同様にRHEVの管理下にある仮想マシンの一覧を確認できます。
Power User Portalで確認できる情報はユーザー向けのものですから、仮想マシン関連のものに限定されており、Administration Portalで確認できるホスト、ストレージドメインなどに関する情報は表示されません。
これに伴いPower User Portalで実行できる主な操作は、前編でも述べたとおり、仮想マシンの作成、カスタマイズ(仮想NICまたは仮想ストレージの追加、削除など)、削除、テンプレートの作成、テンプレートからの仮想マシンの作成といったものに限られます。
Power User Portalで確認できないホスト情報などをFirefoxで確認、編集するために、REST APIを利用できます。RHEVはリソース管理用のスクリプトを作成/利用するための機能として、RHEV-APIを備えています。このAPIはRHEV2.2までWindows PowerShell 2.0がベースでしたが、RHEV3.0からはウェブの標準技術として用いられているREST APIに一新され、JavaやPythonなどで実装された他のウェブアプリケーションとの連携が取りやすくなりました。例えばRHEVの管理下にあるホスト情報を参照したものが以下の図3となります。
この画面はFirefoxで「https://RHEV-MのFQDN:8443/api/hosts」を表示した図です。
このURLを入力することで、XMLフォーマットでRHEVのホスト情報を確認できます。このURLをFirefoxで参照することで、RHEV-Mからホストの情報を「GET」できます。また、「POST」、「PUT」、「DELETE」をFirefox上で行う場合、Firefoxのプラグインの一つであるPosterを利用することで可能になります。これにより、Administrator Portalを使用せず、Poster+REST-APIを使用して、RHEV-Mへのホスト、Storage Domainの登録などの操作ができます。下記にPosterを使用してRHEV-Mを操作する場合のサンプルイメージを掲載しますので、参考にしてください。
なお、コマンドラインによるRHEVでのREST APIの使用方法については、弊社ドキュメント「REST API Guide」をご覧ください。このドキュメントには、RHEV-Mへのホストの登録、仮想マシンの作成といったサンプルスクリプトなどが掲載されています。