ライオンは会計システムで活用しているSAP製アプリケーションのアップグレードに伴い、システム基盤をプライベートクラウド基盤「USiZE」上に再構築した。8月から稼働させている。SCSKが12月16日に発表した。
ライオンは国際会計基準(IFRS)対応を見据えて、従来から使用していた会計システムをIFRS対応可能なバージョンにアップグレードした。システム品質向上と、ハードウェアとソフトウェアなどのシステム基盤関連コスト削減を目指して、社内システムの標準化とシステム基盤の刷新をあわせて実施することにした。
SAP R/3 4.7からSAP ERP 6.0にアップグレードするとともに、会計システムのOSをUNIXからライオン社内で標準化を進めているLinuxに変更、これにあわせてSAPのマイグレーションを実施している。システム基盤としてUSiZEを採用し、システムをVMwareベースの仮想化基盤に移行している。
プロジェクト全体の企画と標準化をライオンが担い、システム基盤のサービス提供と基盤構築、導入後の運用をSCSKが担当した。「仮想化基盤+Linux+SAP」というシステム構成は、コスト削減効果が高い一方で、国内事例が少ないことから、事前検証した上で採用を決定したとしている。
ライオンはUSiZEの上にシステムを構築することで、開発ピークなどの高負荷時にクラウド基盤を必要な分だけ従量課金型で利用できることから、構築時のコストを抑制できたという。構築後の運用でも、システム基盤関連コストを従来と比較して月額50%削減したとしている。
USiZEを活用したことで、調達やハードウェア検証に必要なリードタイムが短縮され、6カ月半の期間でサービスを開始したと説明している。システムの処理スピードが30%向上するとともに、冗長化で安定性向上などの性能向上も同時に実現できたとしている。