ライオン、SAP ERPをプライベートクラウドに構築--月額費用を50%削減

田中好伸 (編集部)

2011-12-16 19:45

 ライオンは会計システムで活用しているSAP製アプリケーションのアップグレードに伴い、システム基盤をプライベートクラウド基盤「USiZE」上に再構築した。8月から稼働させている。SCSKが12月16日に発表した。

 ライオンは国際会計基準(IFRS)対応を見据えて、従来から使用していた会計システムをIFRS対応可能なバージョンにアップグレードした。システム品質向上と、ハードウェアとソフトウェアなどのシステム基盤関連コスト削減を目指して、社内システムの標準化とシステム基盤の刷新をあわせて実施することにした。

 SAP R/3 4.7からSAP ERP 6.0にアップグレードするとともに、会計システムのOSをUNIXからライオン社内で標準化を進めているLinuxに変更、これにあわせてSAPのマイグレーションを実施している。システム基盤としてUSiZEを採用し、システムをVMwareベースの仮想化基盤に移行している。

 プロジェクト全体の企画と標準化をライオンが担い、システム基盤のサービス提供と基盤構築、導入後の運用をSCSKが担当した。「仮想化基盤+Linux+SAP」というシステム構成は、コスト削減効果が高い一方で、国内事例が少ないことから、事前検証した上で採用を決定したとしている。

 ライオンはUSiZEの上にシステムを構築することで、開発ピークなどの高負荷時にクラウド基盤を必要な分だけ従量課金型で利用できることから、構築時のコストを抑制できたという。構築後の運用でも、システム基盤関連コストを従来と比較して月額50%削減したとしている。

 USiZEを活用したことで、調達やハードウェア検証に必要なリードタイムが短縮され、6カ月半の期間でサービスを開始したと説明している。システムの処理スピードが30%向上するとともに、冗長化で安定性向上などの性能向上も同時に実現できたとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]