“痛すぎるアップグレード”からユーザーを救え--SAP

梅田正隆(ロビンソン) 2008年12月12日 20時31分

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 「技術革新あるいは業務や業態の変化に対応し、いかにITを追随させるか。エンドユーザーに対して、いかに安定的にエンタープライズサービスを提供していくか。企業のIT担当者が抱えるこの2つの課題について、SAPは高いレベルで達成するものを提供したい」……SAPジャパンの松村浩史氏はこう話す。

SAP ERP 6.0に上げないと楽にはならない

松村浩史氏 SAPジャパン、カスタマーイノベーションセンター ソリューションレディネスビジネス アプリケーションマネジャーの松村浩史氏

 確かに、安定して動作する業務基盤については、SAPは「SAP NetWeaver」上にERPをはじめSCMやCRMなど、業務機能が山ほど入ったアプリケーション群を提供してきた。これらをつなげば問題なく動作するし、円滑に業務を進めることができる。

 「ただ、新しい機能を追加するにはアップグレードが必要だった。アップグレードでバージョンを上げると機能は確かに向上するのだが、お客様にとってアップグレードする行為自体が大きな負担だった」と松村氏は言う。

 ほとんどのユーザーがアドオン開発したり、他のシステムとつないで使っているため、アップグレードするとなると、改変したソースコードを調整しなければならず、間違いなく大仕事となる。

 その理由は、1つのアプリケーションの中に、ユーザーインターフェースやロジックを記述したソースコードなどが一体化されて入っているためだ。アップグレードするということは、すべてを新しいものに切り換えることを意味した。当然、テストも一からやり直すことになる。

 また、アップグレードによってユーザーインターフェースも改善されるが、エンドユーザーにとっては使い慣れた画面の方が良く感じられるケースも多く、不満が噴出しがちだ。アップグレードすると、すべてが否応なく変わってしまうのが難点だったのである。

 そこでSAPは、SAP ERP 6.0からはアップグレードではなく、「SAP enhancement package(EhP)」で機能拡張を行えるようにした。これはたいへんな変革であり、ブレイクスルーだと言える。松村氏は「SAP R/3 4.7のころからいろんな要素技術はあった。SAP ERP 6.0では、すべての要素技術を戦略に基づいて整理し、さらに必要な技術については、かなりの投資と工数をかけて開発した」と話す。

 松村氏は「EhPに新機能を集約し、コアの部分はSAP ERP 6.0に固定して、新機能だけを追加できるようにした。過去にもトライしてできなかったことが、ようやく技術的に実現できるようになった」と説明する。

 あるアプリケーションの機能拡張において、例えば、ユーザーインターフェースは変えずに、機能部分だけを新しくすることができる。テストの範囲も限定的なもので済むのだ。

SAP enhancement package 従来型のアップグレードによる機能拡張と、SAP enhancement packageによる機能拡張との比較(出典:SAPジャパン)

業務の断片の組み合わせで独自のプロセスを構築

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