大手鉄鋼メーカーのJFEスチールはビジネスインテリジェンス(BI)ソフト「SAP BusinessObjects Business Intelligence(BI)XI 3.1」とデータウェアハウス(DWH)用データベースソフト「Sybase IQ」を活用して販売系の情報活用基盤を刷新した。1月から本稼働させている。SAPジャパンが1月18日に発表した。
今回、稼働が開始したシステムは、1日に2万3000件以上の製品の受注や売り上げ、製品の固有情報を把握する「現品」と呼ばれるデータを管理している。社内のエンドユーザー数は全国約5000人、5000万件以上のデータを保有、管理しているという。従来のシステムでは、検索処理速度の限界があり、1件の処理に5分以上かかることもあり、中にはタイムアウトしてしまうケースも発生し、迅速なデータの処理に支障をきたすことがあったとしている。
情報基盤強化の一環として、2003年から利用していたBusinessObjects BIをXI 3.1にバージョンアップして分析機能の拡張を図った。2011年6月にはDWH基盤の強化を目的に、JFEスチールと情報システム子会社のJFEシステムズは2カ月間Sybase IQの事前検証を展開した。実データをもとに検証した結果、平均で約100倍という性能向上を見込めることから採用を決定している。Sybase IQのカラム型データベースの機能がJFEスチールの要求にも合致していたという。
開発と設計はJFEシステムズが中心となり、基盤環境の構築、既存システムからのデータ移行設計、開発を行い、3カ月で本番稼働させている。処理速度が飛躍的に向上したことで、膨大なデータを多面的に分析できるようになり、JFEスチールの販売管理の高度化に寄与できるとしている。