「IBMにとって、これからの20年はソフトウェアの20年になる」——。
日本IBM 常務執行役員 ソフトウェア事業担当のVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏は1月23日、同社ソフトウェア事業に関する2012年の戦略説明会で冒頭、このように述べた。
IBMは戦略的にソフトウェア——特に企業向けのミドルウェアの強化を続けている。マハジャン氏は、「IBMのミドルウェアを利用することで業務の変化にスピーディーに対応できる。(日本IBMは)オープンスタンダードでローコストのシステムを高いROIで提供する」と自信を見せている。
日本IBM 常務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏
「日本では、フレキシビリティ(柔軟性)を持ち、統合されたエンタープライズアーキテクチャ(EA)を持っているお客様がまだまだ少ない。一方、そういうアーキテクチャを作っていかなければグローバルで戦えず、業務のスピードを落としてしまう」(マハジャン氏)
ITインフラの進歩と歩みを同じくするように、ビジネス面では新たな課題も持ち上がっている。マハジャン氏がその例として挙げたのは「データの増大」「グローバル統合と接続性」「セキュリティとリスクの増大」などだ。こうした課題を解決するためには、ソフトウェアに次の6つの能力が求められるという。
- 情報を知見に変えスマートに活用
- 業務の統合と最適化を推進
- インフラとサービスのビジネス価値を最大化
- ソフトウェア開発で業務サービスと製品を変革
- コラボレーションによる社員力強化/顧客関係強化
- リスク・セキュリティ・コンプライアンスの管理
当然のことながら、IBMでは、これら6つの能力を持ったソフトウェア群を揃えており、その活用を促進したいとアピール。その主張を整理すると次のようになる。
- 情報を知見に変えスマートに活用
→「Information Management」「Business Analytics」 - 業務の統合と最適化を推進
→「WebSphere」「Industry Solutions」 - インフラとサービスのビジネス価値を最大化
→「Tivoli」 - ソフトウェア開発で業務サービスと製品を変革
→「Rational」 - コラボレーションによる社員力強化/顧客関係強化
→「Lotus(OCS)」 - リスク・セキュリティ・コンプライアンスの管理
→「Security Systems」
上記で括弧書きした部分は、同社ミドルウェア製品のブランドであり、かつソフトウェア事業を構成する事業部でもある。同社では1月1日付けで、セキュリティオペレーションセンターを擁する旧Internet Security Systemsを含むセキュリティ事業をソフトウェア事業に統合、「セキュリティ・システムズ事業部」を新設している。