クラウドによる経費管理で競争力強化を--コンカーの戦略

大川 淳 2012年02月15日 18時20分

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 コン力ーは2月13日、東京・中央区で「コン力一クラウドフォーラム 2012」を開催した。

 基調講演には米Concurの創業者でCEOのSteve Singh氏が登壇、「Why the Cloud? Why Concur?」と題し、クラウドの新たな展開と進化について語った。また、コンカー社長の三村真宗氏が「従業員経費管理を革新するConcur Expense 日本版正式サービスの全体像」をテーマに、クラウドを活用した従業員経費管理ソリューション「Concur Expense」について解説した。米Concurはこのソリューションを全世界90カ国1万7000社以上の企業に提供していることで知られ、クラウド(SaaS)事業で世界第2位であるとされる。2012年2月13日には、日本市場向けに「Concur Expense」日本版正式サービスをリリースしている。

クラウドのソリューションはローカル化が重要

Steve Singh氏
Steve Singh氏

 Singh氏は「Concurのソリューションは、経費の効率的な管理によって企業の間接コストを下げ、ローカル化を重視して最適化を図っている。これは、クラウドなしには実現しなかった。クラウドは常に革新を継続しており、最新の技術的成果を迅速に反映することが保障されている」と話す。

 クラウドはモバイルコンピューティングによってさらに機能が拡張され、活用の幅がさらに広がった。「スマートフォンやタブレット端末をはじめとするモバイルデバイスは、コンピュータの主要なプラットフォームになろうとしており、革新の中軸になってきている。これらの機器はクラウドと融合することにより、人々の多様な要求を満たす強力なプラットフォームとなるだろう」とSingh氏は言う。

 近年、多くの企業がコスト抑制の手段としてクラウドを中心とするソリューションを利用しようと考えているが、Singh氏は「それに応えるにはローカルのニーズや市場に適合したものでなければならない」と強調する。

 Singh氏は「日本の自由な市場は世界でも最上級の地位にあるといえる。優れた技術者を多数擁しており、高い教育を受けた労働力を保有している。このような基盤に支えられた強い産業は経済を活性化させる。この環境の下で、さらに強化、成長を目指す企業に、我々の提供するサービスは最適なソリューションとして受け入れられるだろう」とみている。

 多くの日本企業はコスト抑制のためにクラウドを軸に革新を進めているわけだが、日本には「独特のニーズがある」とSingh氏。「日本では公共の交通機関がよく整備されているため、経費精算の管理と効率化にはこれらへの対応が欠かせない。コンカーのソリューションは、乗車券などを電子化したICカードや交通機関検索ソフトのデータを自動的に取り込めるようになっている。これは我々が世界各地のローカルな事情に準拠して、開発していることの一例に過ぎない」とする。

 Singh氏は「いま、技術の革命がもっともおもしろい時代に入っている。当社はいっそう革新への取り組みを加速し、企業に真の価値を提供していきたい」と述べた。

ガバナンスと業務効率化をテクノロジで両立させる

 三村氏は「(量的側面から見ると)経費は人件費に次ぐ間接費なのだが、効率的な運用ができていない」と話す。経費の問題点を従業員の立場からみると「精算の作業は手入力が多く、煩雑で時間がかかってしまう。また、理解不足による悪意のない規定違反が発生しやすい。さらに、精算作業にスマートフォンが使えない。財務経理や経営者側からは、管理者の確認が不十分で緩慢な傾向がある。規定違反の頻発でチェックに多大な工数が発生。経費の透明性が低い」と、日本企業の課題を指摘。

三村真宗氏
三村真宗氏

 「従来の経費精算では、ガバナンスを強化しようとすれば経費の入力を煩雑にしなければならない。一方、業務効率を優先させて入力を省力化すると、ガバナンスが低下していた」(三村氏)のが現状だ。

 同社は「ガバナンス強化と業務効率化はトレードオフの関係にあったが、両社はテクノロジにより両立できるのではないか」(三村氏)と考え、それを具現化したのが同社のESM(Employee Spend Management:従業員経費管理)ソリューション「Concur Expense」だ。従業員は容易に規定に沿った経費精算を実行でき、申請にかかる時間を大幅に短縮できる。また、管理者も承認のプロセスを効率化でき、経費精算管理の可視化や運営管理が容易になるという。今回の日本語版では、Suica、PASMO、ICOCAなどのICカードと、交通機関検索ソフトの「乗換案内」とのデータ連動機能を備えている。

 三村氏は「Concur Expenseは手入力を必要としない。法人用クレジットカードともデータ連携が可能で、現金決済に代わる手法によって透明性が高くなりガバナンスが強化される。従来、電車を多用する交通費精算は効率化が困難だったが、このソリューションでは、ICカードへの対応と交通検索ソフトとの連動で自動化することが実現した」と述べた。

 三村氏によれば「Concur Expenseは、グローバル展開を前提に開発している」という。「Concur Expenseは、複数の企業にまたがって使用できることが大きな特徴といえる」(三村氏)。グローバル展開している企業の場合、従来の経費管理体制は国や地域ごとに複数の経理システムが混在し、さらにやはり国と地域別に会計システムがそれぞれ対応していた。

 しかしConcur Expenseでは「プロセスと規定を標準化し、グローバルな共通設定のしくみが実現した」と三村氏。会計システムはIFRSなどで透明化が進んでおり「Concur Expenseによって経費管理のグローバルプラットフォームを構築することができる」としている。

 三村氏は「Concur Expenseは、経費管理の課題に応えることができるとともに、1カ月半から2カ月程度という短期間での導入が可能だ。まず、日本本社で導入して段階的にグループ会社、海外法人へと展開していける」と述べ、ESMの有用性を訴えた。

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