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アウトソーシング先ではなく消費市場として拡大するインドの存在感

飯田哲夫 (電通国際情報サービス)

2012-03-21 12:00

 自分は流れに身を任せて生きていくタイプであるが、最近またインドとの縁が強まりそうな予感である。前回は5年くらい前、世界経済の成長の中でインドのIT企業が猛烈に規模を拡大していた時期である。

 何故かその頃、インド人の友人が日本へ来日したり、逆にインドでの結婚式に呼ばれたりと、妙にインドとの縁が強くなった。こうした流れに身を任せていたら仕事上でもインドとの繋がり強くなってしまったのである。しかもその頃はカレーばっかり食べていた。

 そんな私も、最近すっかりカレーを食べないで過ごしていたのだが、1月に絵の展示(これは、私の仕事以外のもうひとつの活動)を恵比寿のバーでやっていたところ、そこへあるインド系IT企業の社長が来られて、今いかにインドがすごいことになっているかを語って行くという事件が勃発する。

 しかも、従来のように、日本からのオフショア開発をインドでという話ではなく、いかに日本企業がインドへ猛烈に進出しているかという話なのであった。そんな折、これまた突然にシンガポールの知人より電話があり、「そろそろインドじゃない?」みたいなことを言われたり。

 う~ん、またカレーでも食べるか。それにしても、どうも今回やってきたインドの流れは前回とは違うようだ。

 最近『Business Week』誌に出たインド関連の記事は「Outsourcing: A passage out of India」というもので、アウトソーシング先としてインドから南米や東欧へと関心が移りつつあることを取材したもの。よりアウトソーシングが単純労働からより頭脳労働へシフトするのに伴い、価格よりもコミュニケーションが重視される傾向があるのだという。

 つまり、時差が少ない、あるいは言葉が判り易いなどが大切であると。アメリカであれば、時差が少なく、英語の発音がアメリカ英語に近い南米の方が、価格面ではやや高いものの有利であるという。

 一方で、先ほどのインド系IT企業の社長の話では、あるインドの都市への日系企業の進出数は、ここ2年で3倍にまでなっているという。また、日本経済新聞によると(1月29日付け朝刊「アジア消費をつかむ(上)」)、中国、インド、インドネシアの中間層(ミドルクラス)は、2015年までに約4億3000万世帯となり、日米欧の3倍になる見込みだという。その中でインドは中国に次ぐ規模となる。

 つまり、消費市場も急拡大が見込まれている。昨年には日本とインドとの間で包括的経済連携協定も発効し、インド市場の成長へ向けた協力関係の下地は出来つつある。

 過去10年、インドはITを中心としてサービス産業を全世界へ輸出してきたが、インドそのものの成長が軌道に乗る中で、インドはアウトソーシング先としてではなく、消費市場として見る動きの方がより強まってきているのである。

 ということは、これからは、インドから誰かに来てもらうのではなくて、インドへ行かないといけない(=住む)ということですね。また、カレーに体を慣らしておこう。

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飯田哲夫(Tetsuo Iida)

電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。1992年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。

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