日本オラクルのERPパッケージであるJD Edwardsの導入コンサルティングを手掛けるジェクシードは5月9日、「JD EDwards EnterpriseOne」をベースにしたERPパッケージをSaaS形式で提供する新サービスを開始すると発表した。海外進出する日本企業や日本で事業を開始する海外企業などを主な対象としている。日本オラクルは、ジェクシードのようなパートナーを通じて、過去7、8年にわたり売上高で2桁成長を続けているというJD Edwardsの販売をさらに強化する方針だ。
ジェクシードの新サービスは「GC Smart for SaaS」。EnterpriseOneにジェクシードの短期導入テンプレートを加え、SaaS型アプリケーションとして開発した。インフラ環境としてIIJのクラウドサービス「IIJ GIOサービス」を利用する。
日本オラクルのアプリケーション事業統括本部、ビジネス開発担当ディレクターの野田由佳氏は「従来は1年程度かかるのが普通だったERP導入が、場合によっては1カ月程度になる。導入の速さは大きな利点」とGC Smart for SaaSについてコメントする。サービスとして計上できるため、資産ではなく経費として経理処理できる点も評価されている。
ジェクシードの宮脇武志マネージャーによると、GC Smart for SaaSは多言語・多通貨対応だけでなく、現地の支払い方法や銀行への対応といった商習慣をサポートしているが評価されている。また、業務拡大時に、Webサーバやデータベースサーバなどのリソースを柔軟に拡張できる点については、IIJのクラウド基盤を利用したSaaS型ならではの特徴といえる。
ジェクシードの宮脇武志マネージャー
そのほか、効率的業務プロセスの構築、標準化、情報の一元管理、セキュリティポリシーの一括運用などは一般的なERPの利点だ。
現在、ある組み立て系製造業者が、カナダの新設子会社のシステムとしてGC Smart for SaaSの導入を実施しているという。生産に関する計画系システムから実行系システムまで、GC Smart for SaaSの仕組みで構築しようとしている。
GC Smart for SaaSで現在提供しているサービスは、会計モジュールと流通モジュールの2つ。生産管理モジュールも2012年夏をめどに正式にリリースする予定としている。
GC Smart for SaaSの価格は、初期費用が350万円から。月額費用は流通5ユーザー、会計5ユーザーの計10ユーザーのケースで50万円台から。最低ユーザー数は5人で、会計ユーザーの追加は1人あたり1万1000円。