100万円を切る自動階層化ストレージ--NetAppの中堅向け新製品

齋藤公二 (インサイト)

2012-06-06 17:40

 ネットアップは6月6日、“自動階層化”機能に対応した中堅企業向けストレージの新製品「FAS2220」を発表した。参考価格は最小構成(SATA 1TBのHDD6本)で95万円(税抜)から。

 大きな特徴は、「Flash Pool」テクノロジと呼ばれるSSDとHDDを組み合わせたストレージ階層化機能に対応していること。ランダムアクセス速度が高いSSDをキャッシュとして利用することで、読み取りおよび書き込み機能を向上させた。I/O性能を保ったままディスク数を減らすこともできるため、ストレージコストの削減につながるとする。

 また、Storage Efficiencyと呼ばれる同社のシンプロビジョニング、重複排除、圧縮、スナップショット機能などと併用することができ、管理ツール「System Manager 2.1」を利用することで複雑な設定なしにFlash Poolを自動的に運用することも可能だとしている。

篠木隆一郎氏
篠木隆一郎氏

 調査会社IDCによると、50〜200万円の価格帯のストレージ市場は年間約200億円規模で、市場全体の13%に相当するという。ネットアップのマーケティング部シニアマネージャー 篠木隆一郎氏は「中堅企業市場では設定と管理がシンプルで、事業の拡大とともに容量や機能を容易に拡大できるストレージが求められている」とし、100万円を切る価格帯でありながら、階層化ストレージ機能を搭載した新製品をアピールした。

 具体的な仕様としては、2Uのフォームファクタで、最大ストレージ容量が180TB、最大ドライブ数が60、オンボードGbEが8つ、物理メモリが12GBなど。対応プロトコルとしてはNFS、CIFS、iSCSI(FCには未対応)。

 FAS2220は、従来の中堅企業向けモデルFAS2020に代わるもので、パフォーマンスは約3倍になったとする。また、2011年11月に発表した中堅企業向け製品FAS2240の参考価格179万円(税抜、システム最小構成)をさらに下回る価格での提供となる。

近藤正孝氏
近藤正孝氏

 ネットアップの製品ラインの特徴として、今回発表したFAS2220からハイエンド機のFAS/V6280(容量4320TB、ドライブ数1440、8TBのフラシュキャッシュ)に至るまで、同じストレージアーキテクチャを採用することが挙げられる。

 そのため、「全製品が一気通貫でつながるユニファイド・ストレージ・アーキテクチャを採用し、事業拡大に合わせてスケールすることが容易」(技術本部本部長の近藤正孝氏)だ。同社では、中堅企業向けの低価格、高機能のエントリー製品を強化することで、ハイエンドまでユニファイドされているという同社の製品ラインの強みを生かす構え。

  • ハイエンドと同じアーキテクチャを採用

  • FAS2200製品ラインの概要

  • System Manager 2.1の特徴

 また、競合となるEMCのSMB向けストレージ製品「VNXe」との比較については、Flash Poolによる階層化機能の有無、ハイエンド機までユニファイドされていること、MultiStoreによるセキュアなマルチテナンシーを実現していること、重複排除技術がファイルレベルではなくブロックレベルで実現できることなどを挙げた。

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページTwitterRSSNewsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]