ネットアップは6月6日、“自動階層化”機能に対応した中堅企業向けストレージの新製品「FAS2220」を発表した。参考価格は最小構成(SATA 1TBのHDD6本)で95万円(税抜)から。
大きな特徴は、「Flash Pool」テクノロジと呼ばれるSSDとHDDを組み合わせたストレージ階層化機能に対応していること。ランダムアクセス速度が高いSSDをキャッシュとして利用することで、読み取りおよび書き込み機能を向上させた。I/O性能を保ったままディスク数を減らすこともできるため、ストレージコストの削減につながるとする。
また、Storage Efficiencyと呼ばれる同社のシンプロビジョニング、重複排除、圧縮、スナップショット機能などと併用することができ、管理ツール「System Manager 2.1」を利用することで複雑な設定なしにFlash Poolを自動的に運用することも可能だとしている。
篠木隆一郎氏
調査会社IDCによると、50〜200万円の価格帯のストレージ市場は年間約200億円規模で、市場全体の13%に相当するという。ネットアップのマーケティング部シニアマネージャー 篠木隆一郎氏は「中堅企業市場では設定と管理がシンプルで、事業の拡大とともに容量や機能を容易に拡大できるストレージが求められている」とし、100万円を切る価格帯でありながら、階層化ストレージ機能を搭載した新製品をアピールした。
具体的な仕様としては、2Uのフォームファクタで、最大ストレージ容量が180TB、最大ドライブ数が60、オンボードGbEが8つ、物理メモリが12GBなど。対応プロトコルとしてはNFS、CIFS、iSCSI(FCには未対応)。
FAS2220は、従来の中堅企業向けモデルFAS2020に代わるもので、パフォーマンスは約3倍になったとする。また、2011年11月に発表した中堅企業向け製品FAS2240の参考価格179万円(税抜、システム最小構成)をさらに下回る価格での提供となる。
近藤正孝氏
ネットアップの製品ラインの特徴として、今回発表したFAS2220からハイエンド機のFAS/V6280(容量4320TB、ドライブ数1440、8TBのフラシュキャッシュ)に至るまで、同じストレージアーキテクチャを採用することが挙げられる。
そのため、「全製品が一気通貫でつながるユニファイド・ストレージ・アーキテクチャを採用し、事業拡大に合わせてスケールすることが容易」(技術本部本部長の近藤正孝氏)だ。同社では、中堅企業向けの低価格、高機能のエントリー製品を強化することで、ハイエンドまでユニファイドされているという同社の製品ラインの強みを生かす構え。
また、競合となるEMCのSMB向けストレージ製品「VNXe」との比較については、Flash Poolによる階層化機能の有無、ハイエンド機までユニファイドされていること、MultiStoreによるセキュアなマルチテナンシーを実現していること、重複排除技術がファイルレベルではなくブロックレベルで実現できることなどを挙げた。
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