シンクライアントまたは仮想デスクトップ(VDI)
Microsoftのターミナルサーバや「VMware View」「ThinApp」、Citrixの「XenApp」(以前の「WinFrame」「MetaFrame」および「Presentation Server」)などの技術が出回り始めてからしばらく経つが、これらの技術はある重要な役割を担っている。通常なら遠隔から実行できない、レガシーで回線容量を必要とするアプリケーションをサポートするという役割だ。仮想デスクトップは会社のデータセンターにあるサーバ上で実行されており、アプリケーションサーバと同じ高速ネットワーク上にあるため、遠隔から利用しているユーザーも、社内のユーザーと同水準の応答時間で使うことができる。これによって、ウェブアプリケーション化されていないソフトウェアや、データへのアクセスが多いソフトウェアを、自宅オフィスから使うことが可能になる。
PC、ラップトップ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレットなどもすべて、これらのシンクライアント・VDIサーバにアクセスすることができるため、処理能力やストレージ、リソースなどが不十分な環境からでも、完全なデスクトップや単体のアプリケーションを利用できる。それに加えこれらの仮想デスクトップは、デバイス間を移動させることができるため、以前中断したところから、別の端末で作業を再開できるという利点もある。VDIのクライアントソフトウェアには、MicrosoftのRDP(PC、Macで利用可能)から、「iPhone」「iPad」「Android」で使える「iTap RDP」や「Wyse PocketCloud Pro」「Citrix Reciver」のようなモバイルアプリまで、さまざまなものがある。
一部の専門家は、VDI技術はいずれ典型的なPCやラップトップを完全に置き換え、タブレットやモバイル端末を使って作業をするのが一般的になると予想している。実際にそうなるかどうかは、いずれわかるはずだ。
HDMIテレビ
これは、自分のタブレットやPCと変換コネクタを使い、古き良きフラットスクリーンのテレビをセカンドモニタとして使うという方法だ。ケーブルをつなぎ、適切な入力を選択すれば、作業画面を大きく取ることができる。これはあまり美しい手法とは言えないが、このモバイルワーカー向けの技は、自宅オフィスでも出張中のホテルでも威力を発揮する。わたしは、iPhoneとキーボードだけを持ち、シンクライアントアプリケーションで会社のサーバに接続して出張を乗り切ったことがある。マイクロHDMIケーブルがあれば、このポケットに収まるキットだけで、完全なテレワークができる。
わたしの予想では、20年後には、オフィスで働くという仕事のスタイルそのものが例外的なものになり、自宅で仕事をするのが主流になるだろう。
著者紹介
Chris Krueger氏はIT業界で33年の経験を持ち、サービス、製品開発、製造業、エンジニアリング、官公庁の分野で広範な事業コンサルティングを行っている。同氏は1988年から、事業計画、IT戦略、eコマース、データセンターのアーキテクチャ、ビジネスプロセスの強化などに携わっている。Krueger氏はそのキャリアの中で、2000以上のネットワークインフラ関連プロジェクトに関わっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。