日本オラクルは8月30日、テープライブラリの新製品「StorageTek SL150 Moduler Tapge Library」の販売を開始した。最小構成の税別価格は63万4022円。企業のアーカイブやデータ保護環境の構築に最適という。
SL150は、磁気テープ記憶装置の規格「Linear Tape-Open」の最新版「LTO-5」に準拠。1巻あたり1.5Tバイトの容量を格納できるハーフハイトサイズの「StorageTek LTO 5 Tape Drive」を挿入するスロットを30から、最大300まで増やすことができる。搭載できるテープドライブの数は20まで。非圧縮時で450Tバイト、圧縮時で900Tバイトまで容量を拡張できる。
設置面積や拡張する際の設備投資コストを削減できるとメリットを強調する。SL150は同等の他社テープライブラリ製品に比べ、40%程度の省スペース、容量を拡張する際のコストは最大75%削減できるという。
導入する際の初期設定は、筐体に搭載されているタッチパネルスクリーンから数回の操作で完了するという。特別なツールや複雑な配線作業、技術サポートは必要ないと説明。USBを介して追加のテープドライブを自動検知するため、容量拡張も簡単、迅速に展開できるとメリットを強調している。
管理機能は直感的なユーザーインターフェースを採用して、リモートでも操作できるようになっている。ライブラリの設定と管理、状態のモニタをブラウザベースの管理ツールで実行できる。
今回のSL150は、同社のテープライブラリ製品のエントリモデルになる。ハイエンドのSL8500はスロットが1448~10万880、テープドライブを640まで搭載でき、データ圧縮時で最大1.1エクサバイト保存できる。SL150とSL8500の中間に位置付けられるSL3000は、スロットが205~5925、56ドライブまで搭載でき、データ圧縮時で最大64Pバイトまで保存できる。
オラクルは、テープライブラリについて“階層型ストレージ”を構成するものと説明。階層型ストレージは、データ量やアクセス頻度、磁器などに応じて格納するストレージを使い分けることで、コストの最適化を図ろうというものだ。
オラクルの説明によると、高速ディスクだけの場合、1Pバイトあたり1350万ドル、高速ディスクと中低速ディスクを組み合わせた場合、1Pバイトあたり1100万ドル、フラッシュメモリとディスクとテープを組み合わせた階層型ストレージだと1Pバイトあたり70万ドルという。
これは、テープが1Gバイトあたりの単価が10~20セントだからだ。テープを組み入れた階層型ストレージで、経済性を高められると、そのメリットを強調している。