サン電子は9月26日、M2M(Machine to Machine)網を遠隔から管理するLinuxベースのゲートウェイ「Rooster-GX」を開発することを発表した。インヴェンティット(大阪府堺市)が開発するM2M遠隔管理ソフトウェア「Service-Sync」を搭載する。
モバイル回線を利用するM2Mのクラウドサービスが注目されているが、今後はセンターにデータを送信する端末と、センターからすべての端末を一括で遠隔で管理するシステムが必要不可欠とされている。M2M網での端末の管理、遠隔での制御などを担うシステムは、M2Mクラウドサービスを提供する事業者が個別に開発しているため、その開発や保守、運用コストは大きな負担になるといわれている。
サン電子は、モバイルの遠隔管理で実績があるというLinuxマイクロサーバのRoosterシリーズに、インヴェンティットが開発するM2M遠隔管理ソフトウェアのService-SyncをRoosterに移植して、遠隔管理サーバを開発する。M2M遠隔管理サービス事業者の開発コストや保守運用コストを削減できるという。
サン電子とインヴェンティットが共同で開発するM2M遠隔管理基盤は、種々の業務アプリケーションに汎用的に運用でき、SaaS型のメリットとして初期コストを低減できると説明。導入までの期間やコストを削減できるとともに、M2Mクラウドサービス提供事業者に効率的で安定したシステム基盤を提供できると利点を強調している。
Rooster-GXは無人環境でも長期間での安定運用を可能にするため、これまでのRoosterシリーズで培ってきた各種電源の制御機能を搭載し、自動で電源をオンとオフするように設定することもできる。メインCPUとサブCPUが連動して、不慮の事故が発生した場合でも復旧しやすい仕組みとなっている。
また、Rooster-GXはこれまで独立して利用されてきたデータロガーと3Gの通信機能の両方を搭載している。2種類の機能を1台にまとめることで、設置面積やケーブルを最小限に抑えて省電力、コストダウンの効果を得られるという。
サン電子が提供するAPIでアプリケーションから容易に3G通信を利用できる。Roosterで活用されていたモバイルルータ機能はLinuxアプリケーションとして提供される。Rooster-GXと遠隔管理基盤は、10月2~6日に開催される「CEATEC JAPAN 2012」に参考出品される。
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