NEC、CEPで新技術--複雑なルールにも対応、スケールアウトしやすく

田中好伸 (編集部) 2012年09月20日 16時42分

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 NECは9月19日、複合イベント処理(CEP)で新技術を開発したと発表した。人手を介さずに機器や端末同士が情報を処理するM2M(Machine to Machine)ソリューション「CONNEXIVE」の機能として2013年3月末までに提供する予定だ。

 CEPは、大量の端末やセンサが発生するデータ(イベント)を処理する技術であり、あらかじめ設定した分析ルールに適合したイベントをリアルタイムに抽出することができる。CEPの活用例としてはクレジットカードの不正利用検出が挙げられる。

 クレジットカードの不正利用検出では、同じ消費者が同じ店で短期間に何度もクレジットカードを利用する、あるいは、ほぼ同時に複数の店で同じクレジットカードを利用するといったことをルールとして設定すれば、そのルールに基づいて検出することができる。

 だが、従来のCEPには限界があると指摘されている。CEPでは、データをためずに処理するデータストリーム、HDDなどのI/Oボトルネックを解消するためのオンメモリ処理、大量のサーバをそろえた分散並列処理を中心に展開している。CEPの基本性能として、“単純なケース”であれば毎秒100万件処理できるが、“複雑なケース”であれば毎秒数万件処理というように、複雑なケースになると性能が落ちることになる。

 ここでいう単純なケースとは「温度が30度になったらエアコンを入れる」、対する複雑なケースは「東京駅を通る、コーヒーを購入する、クルマで移動する、そのすべてにあっていたら、ケーキの広告を表示する」。この複雑なケースでは、ルールごとにどこまでマッチングしているのかという中間状態(ステート)も管理しなければならない。

 単純なケースだと、従来の技術でもサーバを増設することで性能を向上できる。だが、複雑なケースだと、サーバ間の共有メモリでステートを管理するが、サーバ間で情報交換することになり、サーバ台数が増えるにつれてオーバーヘッドも大きくなる。加えて、メモリが足りないといったことも起きることになる。

 こうした従来のCEPの限界を突破するために、NECは“2階層アーキテクチャ”と“ルール分配アルゴリズム”を取り入れている。2階層アーキテクチャは、ステートレス処理とステート処理の2階層にするというもの。ルール分配アルゴリズムは、ルール間の関係からルールをサーバに最適に配置するという技術になる。

 端末やセンサから出てくるイベントを、まずは“ディスパッチャ(DISP)”が受け取る。DISPは受け取ったイベントを“ディスパッチルール”に基づいて“イベントプロセッサ(EP)”に転送する。EPは複数存在するが、このEPを制御するのが“EPコントローラ”になる。EPコントローラは、ルール分配アルゴリズムに基づいて、最適なEPを算出して、処理を任せることになる。

図
※クリックすると拡大画像が見られます

 ルール分配アルゴリズムは、各EPへの負荷を均等にするように設定。また、同じイベントに関するルールは同じEPに配置するようにも設定されている。例えば、ルール1は「イベントAとイベントBが発生したら、アクションXを取る」、ルール2は「イベントBが発生した後でイベントCが発生したら、アクションYを取る」、ルール3は「イベントDが発生した後でイベントEが発生したら、アクションZを取る」といった場合、このイベントBは共通しているので、同じEPで処理するといった形だ。

 NECは、今回開発した技術の性能を評価している。評価では、汎用的なIAサーバ10台で10万通りの処理ルールを設定し、毎秒270万件のイベントが発生するシステムに適用し、実際にリアルタイムに処理できることを実証したという。

 毎秒270万件のイベント処理が可能になったのは、携帯電話に店舗やクーポンの情報を提供するというサービスを想定すると、5000万のユーザーに対して、20秒に1回、10万件の店舗からユーザーの属性にあった情報を配信できる能力に相当するという。

 今回の技術では、スケーラブルなアーキテクチャであることから、サーバを増やした分だけ性能も向上できるとメリットを強調。NECでは、「既存のCEPはシンプルなルールの処理に特化している。CEPの本来の意味である複雑なルールの処理には、今回開発した技術が有効であり、性能も保持できる」と説明している。

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