まさしくエンタープライズITベンダーのオラクルならではの見解である。同社は9月30日(米国時間)から一大プライベートイベント「Oracle OpenWorld 2012」を米サンフランシスコで開催するが、ビッグデータの活用は最もホットな分野だけに、また新たな取り組みが発表されるかもしれない。注目しておきたい。
「エンタープライズの視点で知的なセキュリティソリューションを提供するのがわれわれの使命だ」
(日本HP 新造宗三郎 統括本部長)
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が9月13日、IPS(不正侵入防御)アプライアンスの新製品「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」と、セキュリティ統合管理ソフトウェアの最新版「HP ArcSight ESM 6.0c」の提供を国内で開始すると発表した。
日本HP 新造宗三郎 統括本部長
HPソフトウェア事業統括エンタープライズ・セキュリティ・プロダクツ統括本部を率いる新造氏の発言は、その発表会見で、HPのセキュリティ事業のありようについて語ったものである。
HP TippingPointは、脆弱性の悪用からサーバ群やクライアントPC、ネットワークを保護する製品である。外部から見て脆弱性が存在しないようにする「HP Digital Vaccine」(仮想セキュリティパッチ機能)によって、システムにセキュリティパッチを適用しなくてもサイバー攻撃を防御できるとしている。HPのセキュリティ研究機関である「DV Labs」が幅広いソフトウェアやシステムの脆弱性を発見し、迅速にその Digital Vaccineをリリースしているという。
一方、HP ArcSightは、システムやネットワークから発生するさまざまなログデータを取得し、リアルタイムに相関分析を実施しレポーティングすることで、ビジネスリスクに対する脅威の予兆監視や発見的対策を実現する製品である。最新版ではHP独自開発の「CORRエンジン」を新たに搭載し、分析処理を大幅に高速化。検索・相関分析のパフォーマンスも大幅に向上させたという。
HPはおよそ1年前、「エンタープライズセキュリティ」というコンセプトを打ち出して、数年前から主にベンチャー企業の買収によって取り込んだ関連製品群を連携・統合させる形でソリューションを展開している。今回発表した2つの新製品も買収によって取り込んだものだ。
本格的なセキュリティ事業としては後発となるHPだが、数年前には大手の総合セキュリティベンダーの買収に乗り出したとの噂が流れたこともあるなど、取り組み姿勢には相当の力の入れようがうかがえる。新造氏によると、同事業の売上高はこの1年で倍増したという。HPにとっては急成長が見込める分野だけに、時間を買う形の大型買収に乗り出す可能性も大いにありそうだ。
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