#8:指示するだけに終わらない采配
あなたが世界規模での事業運営を任されているCIOなのであれば(筆者もそうだった)、各国のオフィスを回って、作業の進め方を指示して回るだけという仕事をしてしまいがちだ。こういったことは避けてほしい。あなたが周囲の人々と協調的に、かつ協力的に作業すれば、あなたはオフィスのみんなから信頼され、プロジェクトは大きく前進するはずだ。
#9:歴史
第二次世界大戦は70年近く前に終戦となっているものの、複雑な思いが親から子へと受け継がれている。筆者が欧州オフィス間での電話会議を招集するために、当事者のいるオフィスに出向いた時の話である。そのオフィスのマネージャーは「私は彼らと話をしたくない。彼らは戦争中に私の祖父を殺したんだ」と告げたのだった。通常の場合、こういった事情は仕事に影響を与えないはずだ。しかしこういった事態も起こり得るということを知っておくべきだ。
#10:ITインフラの違い
ITインフラの整備状況は国によってまちまちである。発展途上国の多くでは、電話網やインターネット網が整備されていないため、そういった通信手段に頼ることができない。また、インフラの整備状況はリモート環境に設置されているデータセンターへのフェールオーバ機能にも影響を与える。一方、インターネットの回線速度が非常に速い国もあり、米国でもこれくらいの速さで通信できればいいのにとうらやましく思う時もある。海外に出向く前に、ITインフラ絡みのこういった強みと弱みを理解しておくのがよいだろう。
#11:基準の違い
IT製品の品質基準や受け入れ基準も国によって異なっている。テクノロジの品質に対する要求が最も厳しい国はドイツと日本である。品質基準や受け入れ基準の高さによって、必要な時間やプロジェクトの進捗速度が変わってくる。また一部のケースであるが、社内で開発されたアプリケーションに対しては、異なったテスト手段を適用するという地域もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。