Parallel Studio XE 2013は、CやC++、FortranコンパイラとOpenMPをサポート。さらに並列処理ライブラリの「MKL」、並列プログラム用言語拡張機能「Cilk Plus」、並列処理向けテンプレートライブラリ「TBB」、マルチメディアライブラリ「IPP」を提供する。Cluster Studio XE 2013は、クラスタ対応のアプリケーション開発とパフォーマンス解析を行うためのツールで、ライブラリや分析機能を提供している。
これらのツールは、XeonとXeon Phiの双方に対応していることを示した。サードパーティーのコンパイラやライブラリなどのツールも、XeonとXeon Phiに対応できる環境を提供していることも強調した。Reinders氏はCilk Plusについて、こう言及している。
「CとC++は、ベクトル化が難しかった。これらの言語では、ループをベクトル化することは信頼性がなく不正と判断すること、配列表記がなく、完全に自動化することも不可能であった。その一方で、Fortranは1966年のFortran 66から行列のスライスを利用でき、それをずっと継続してきた。Cilk Plusは、その延長線上のシンプルな考え方に基づいたもので、CとC++の拡張として配列スライスの構文をサポートする」
Cilk Plusは、配列表記と♯Pragma simdのベクトル向けの2つの構文があり、ベクトル化をコンパイラに依存しているTBBと♯Pragma simdの組み合わせは、開発者にとって魅力的なものになると主張。Cilk Plusは、厳格なFork-join型言語であるとして、スレッド並列化を柔軟に支援できるとし、「TBBとCilk Plusは優れた組み合わせになる」と説明している。
Reinders氏は、構造化並列プログラミングの指南書として「Structured Parallel Programing」とXeon Phiの解説書をそれぞれ出版するとし「こうした活動を通じて開発者を支援していくことにも乗り出す」とした。Linux対応となっているXeon PhiのWindows対応については、2013年初旬にホスト側でWindowsへの対応を行うとした。