松岡功の「今週の明言」

日本オラクルがブランドイメージ変革に挑戦 - (page 2)

松岡功

2013-02-01 11:05

 遠藤氏は今回、「テクノロジー・パートナーからビジネス・パートナーへ」とブランドイメージの変革を掲げているが、それをいち早く進めているのはIBMだろう。その意味では、IBM出身の遠藤氏が今後どのように日本オラクルのブランドイメージ変革に向けた経営の舵取りを行っていくか、注目しておきたい。


 「日本で展開しているような高品質で柔軟性の高いクラウドサービスを世界中に広げていきたい」
(IIJ 鈴木幸一 代表取締役社長)

 インターネットイニシアティブ(IIJ)が1月21日、子会社のIIJグローバルソリューションズの上海現地法人を通じ、中国でクラウドサービス「IIJ GIO CHINAサービス」の提供を開始したと発表した。鈴木氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今後のIIJグループにおけるグローバル事業展開への意気込みを語ったものである。

IIJの鈴木幸一 代表取締役社長
IIJの鈴木幸一 代表取締役社長

 新サービスは、中国最大手の国営通信会社であるチャイナテレコムと合同で展開し、IIJ Global Solutions Chinaが構築・運営を行う。まずは仮想化サーバタイプと専有サーバタイプの2種類のIaaSを用意した。その具体的な内容については、既に報道されているので関連記事などをご覧いただくとして、ここではIIJグループのグローバル事業展開に注目したい。

 IIJグループは現在、世界6カ国10都市に事業拠点を設け、ネットワーク運用サービスを展開している。国内外でグローバル事業に従事するスタッフは約200人で、グループ全体の従業員数のおよそ1割を占めている格好だ。昨年来、特に力を入れているのはアジア市場で、上海、シンガポール、香港、バンコクに相次いで事業拠点を設けた。

 今回、中国で提供を開始したクラウドサービスは、米国に次ぐ展開となる。鈴木氏によると「アジア各国は今、通信インフラを整備している段階。国ごとに事情は異なるが、現地の通信事業者などと協力しながら日本で展開しているようなクラウドサービスを提供し、新しい形の通信事業を提案していきたい」という。

 そして、将来的には世界の主要拠点でクラウドサービスを、との思いで語ったのが冒頭の発言である。さらには「できればグローバルで共通のクラウド基盤を構築し、その上で様々なサービスを提供していけるようにしたい」と、事業構想は膨らむばかりのようだ。

 鈴木氏は国内初のインターネットプロバイダーであるIIJを設立し、日本でのインターネットの宣教師役を果たしてきた。その鈴木氏率いるIIJグループが、いよいよクラウドサービスでグローバル市場に本格的に打って出る。何とも時代の転機を感じる動きである。

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