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新着記事集:「負荷分散」

通勤・移動時間でのBYOD、国内は12%--VMware調査

大川 淳

2013-03-08 20:02

 ヴイエムウェアは、日本を含むアジア太平洋地域12カ国のビジネスパーソン約2100人を対象に、ITを活用したワークスタイルの実態調査「VMware New Way of Life Study」を実施した。

 日本では、企業が業務用に支給しているコンピュータの社外への持ち出しについて、70%の回答者が「禁止されている」と回答したほか、BYODの導入割合も22%で、アジア太平洋の各国と比べて大きな差があることがわかった。ヴイエムウェアが3月8日、都内の記者会見で発表した。

 今回の調査によると、国内で従業員に業務用として支給しているコンピュータの社外持ち出しが禁止されている比率は、前年の調査では71%であり、引き続き高い割合となっている。その理由(複数回答)は、「情報漏えいの防止」が94%、「紛失・盗難に伴う管理上のリスクを減らすため」が56%、「コンピュータウイルスから企業を守るため」が49%などとなっており、企業側はセキュリティ面で懸念している傾向が高いといえよう。

 このような状況であることから、日本でのBYODの導入について「ノートパソコン、タブレット端末など、私物のモバイル端末を仕事で使用している」との回答は22%に留まった。中国は95%、韓国は93%、シンガポールは89%、比較的低いオーストラリアでも59%で、アジア太平洋地域の各国が80〜90%と回答するなか、日本が最も低い比率となった。この割合は昨年調査でも22%であり、BYODの導入は進んでいないといえる。

 また、日本で「通勤・移動時間に私物のモバイル端末で仕事をする」と回答した割合は12%。これも中国は55%、韓国は31%、シンガポールは46%、オーストラリアは20%、アジア太平洋諸国の平均は40%で、ここでも日本の比率は最も低かった。

 こうした現状がある一方、「業務上、ITのモバイル化は必要であると感じる」という回答は全体の82%にのぼった。これは、必要度を5段階で評価し(5が最高)、3〜5と回答した比率を「必要と感じる」、1〜2を「必要ないと感じる」として算出している。この数値は、中国が99%、韓国が90%、シンガポールが92%など、その他のアジア太平洋地域と同様に、日本もいわゆるリモートワークやモバイル機器を活用したワークスタイルを望む志向が強いといえる。

三木泰雄氏
三木泰雄氏

 これらの調査結果について、ヴイエムウェア社長の三木泰雄氏は「昨年に続き2度目の調査となったが、日本はセキュリティに対する意識が非常に高い。ただ、それが柔軟なワークスタイルの導入に向けた制約にもなっている。しかし、『業務上、ITのモバイル化は必要であると感じる』との回答は82%に達しており、業務のモバイル化を希望する考え方と実態がかけ離れている」と話す。

 一方、ユーザー企業のIT部門を対象に同社が実施した調査によると、デスクトップ仮想化・アプリケーション仮想化関連製品を利用中または利用を検討中という企業が約60%。BYODも導入または導入を検討しているとの回答が40%以上という結果になった。三木氏は「IT部門はリモートでの業務やスマートデバイスの活用には積極姿勢だが、それが全社的に広まっていないようだ」としている。

仕事はどこでも可能、発想転換でテレワーク推進を

 企業の在宅勤務の導入支援や、国・自治体のテレワーク普及事業などに取り組んでいるテレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏は「在宅や移動しながらの業務が週8時間以上になる場合が、テレワークと定義されている。テレワークは通勤時間の削減、子育てや介護と仕事との両立、雇用継続など、働く人々にさまざまな効果をもたらす。社会的弱者の就業支援、少子高齢化に伴う労働力減少への対策、企業強化など、社会的にも効果は多大きい。政府も2015年までに在宅型テレワーカーを700万人に増加させる方針だ」と述べた。(出展:総務省「2011年通信利用動向調査」)

田澤由利氏
田澤由利氏

 だが、国内でテレワークを導入している企業は全体の9.7%に留まる。資本金50億円以上の企業では24.4%となるものの、1000万円未満の企業では2.7%の導入率。なぜ、これほどテレワークは利用されないのか。

 仮に「企業内の5人からなるチームで、1人が週1回、在宅勤務したとすると、チーム業務全体に占めるテレワーク比率は4%だが、5人が週2日となると40%に跳ね上がり、効率低下とコスト面の懸念から在宅勤務は増えない」からだと、田澤氏は指摘する。

 国内でテレワークを推進するには「在宅でもできる仕事を作ろう。テレワークでできる仕事は限られるとの発想を転換すること」(田澤氏)が必要だという。

 田澤氏は「情報のデジタル化、コミュニケーションのIT化、フリーアドレス制、会社機能のクラウド化などを進め、仮想化技術を用い、セキュリティが担保されたかたちで仕事の在り方を変え、普段の仕事が在宅でもできるようにすれば、企業もメリットを享受できるのでは」と提言する。

 三木氏は「日本ではBYODやリモートワークなどが浸透していない。それには、セキュリティや企業文化、日本の風土、コンプライアンスなどの多くの要因がある。だが、セキュリティを確保しながら柔軟性の高いワークスタイルを実現できるIT基盤はかなり整ってきている。当社は、これらのようなワークスタイルがさらに普及するよう、技術により貢献していきたい」と語った。

 この調査は2012年12月〜2013年1月にかけて、日本、オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、台湾で実施された。

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