米Treasure Dataは5月20日、日本での事業展開について記者説明会を開催した。同社は米Red Hatにエンジニアとして勤務し、三井物産のプライベートエクイティ事業でオープンソースソフトウェア企業への投資、経営などを行った経験を持つ芳川裕誠(よしかわ・ひろのぶ)氏が2011年に米国で起ち上げた企業。2012年にクラウドベースのビッグデータサービスを開始し、70社の顧客を持つ。
日本にも約30社の顧客を持っているが、日本法人トレジャーデータを2012年11月に設立し、堀内健后氏をジェネラルマネージャーとして本格的に事業を展開している。
米Treasure Data CEO 芳川裕誠氏
ビッグデータに基盤技術がようやく追いついた
トレジャーデータの提供するサービス「Treasure Data Platform」は、既存のサーバからあがってくるなどの非構造データ、データベースなどから得られる構造データを収集し、インポートしたデータは独自のデータベースにストア。それをSQLのようなエンジニアが活用できるデータへと可視化して提供する。
クラウドベースで、異なるレイヤからのデータ収集機能、それをオリジナルデータベースに収集し、可視化することで、導入までの期間を短く、初期コストを抑え、これまで数日かかっていた可視化までの処理を高速化して数分で実現する。
従来は数時間かかっていたたバッチ処理などの作業が数分で終了するため、1日1回のレポートを複数回更新することが可能となる。そのデータを活用し、経営判断の材料とすることで、経営サイクルの短縮化が実現するという。
Treasure Dataを起業した背景として、最高経営責任者(CEO)である芳川氏は、「ネットを支えるサーバ、センサなどいわゆる“非構造化データ”は以前から存在していたが、それを活用する基盤技術がようやく追いついたというのがここ数年。そのタイミングで起業した」と技術的環境が整ったことを挙げた。
ビッグデータを活用する基盤技術の一つである分散並列処理フレームワーク「Apache Hadoop」の日本における第一人者である太田一樹氏を最高技術責任者(CTO)として、オープンソースのエンジニアとして知られる古橋貞之氏をソフトウェア・アーキテクトとして3人体制で創業し、現在は日米のエンジニアが名を連ねる。