リコーは5月30日、デジタルフルカラー複合機の新製品として「RICOH MP C6003」シリーズなど5機種19モデルを発表した。6月5日から順次発売する。
今回の新製品は、複合機の中心となる中高速クラスのラインアップを一新するもので、同社の複合機事業で重要な役割を担う製品群という。
リコー グローバルマーケティング本部 テクノロジーバリューマーケティングセンター 第1プロダクトマーケティング室 室長 細谷秀樹氏
e-Sharing Box
同社は「リコーの複写機事業の方向性を変えていく製品になり、オフィスの変革をもたらす製品になる」(リコー グローバルマーケティング本部 テクノロジーバリューマーケティングセンター 第1プロダクトマーケティング室 室長 細谷秀樹氏)と、新製品の位置付けを説明している。
その最大の理由は、今回の新製品に対応する形で、新たなサービスを提供することにある。その中心となるのが、オンプレミス型プライベートクラウドサービスとの連携となる。
その要となる、ハードウェア「RICOH e-Sharing Box タイプM3」も同時に発売する。スキャンした文書や受信したファクス文書、PCで作成した文書などを保存、共有できるほか、SaaS「RICOHクラウドリレーサービスCX」を活用することで、社外からのiPadやスマートフォンなどのスマートデバイスの利用が可能になる。
e-Sharing Box タイプM3の価格はオープン。また、ハードウェアとソフトウェアの保守サービスと、クラウドリレーサービスの10デバイス分をセットにした「RICOH e-Sharing Boxサービスパック」の価格は初期費用が4000円、月額4200円となっている。
e-Sharing BoxとRICOHクラウドリレーサービスは、従業員規模が100人未満、システム管理者が不在、ファイルサーバを保持していない企業、あるいは外勤社員が多い企業などを対象に展開していくことになるという。e-Sharing Boxには、トレンドマイクロのセキュリティSaaS「Trend Micro Security as a Service」が採用されている。
e-Sharing Boxのシステム概要
新たに搭載したMulti-Link Panel
Multi-Link Panelをタイムレコーダとしても利用できる
次世代ユーザーインターフェースとして「MultiLink-Panel」を採用。複合機の直感的な操作を可能にするとともに、このインターフェースを利用して、e-Sharing Boxをはじめとするドキュメントクラウドサービスや、オフィス業務に必要な機能やサービスを提供する「Job Magic」と「NetRICOH」などのサービスを利用することができるようになる。
Job Magicは、個人所有のICカードを活用した個人認証をもとにして、複合機で出社・退社の時間打刻を行う勤怠管理や、OCR変換機能を活用した名刺管理、営業日報登録などが可能になる。
専用端末を導入せずにオフィスの機器や情報をコントロールするオフィスファシリティサービスも利用することが可能だ。同社では、新製品の約4割にMultiLink-Panelが搭載されるものと想定している。
「今回の製品によって、オフィスとクラウドサービスをつなぐ共用情報端末として、またオフィス全体のコントローラーといったように、次世代の役割に進化する。入出力機能を持ったオフィスのキオスク端末がこれからの複合機になる」とする。