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大河原克行のエンプラ徒然

リコー、2012年度は最終黒字--カメラ事業で苦しむも構造改革で体質転換図る

大河原克行

2013-05-02 17:32

 リコーが発表した2012年度(2012年4月~2013年3月)の連結業績は、売上高が前年比1.1%増の1兆9244億円、営業利益が前年度の180億円の赤字から634億円の黒字に転換。税引前当期純利益は前年度の319億円の赤字から、581億円の黒字に、当期純利益は前年度の445億円の赤字から、324億円の最終黒字となった。

 「赤字から脱却し、V字回復ができた。構造改革は、計画通りに進捗。これだけで558億円の増益寄与となった」と、リコー代表取締役社長執行役員で最高経営責任者(CEO)の三浦善司氏は語る。


リコー 代表取締役社長執行役員 最高経営責任者(CEO) 三浦善司氏
  • 2013年3月期の損益計算書

  • 2013年3月期製品別売上高

  • 2013年3月期の主要な新製品とサービス

 三浦氏は4月1日に社長就任したばかり。だが、これまでも代表取締役副社長兼最高財務責任者(CFO)として、決算会見はすべてを自身で説明してきたため、今回の会見もまさに手慣れたもの。「これからも中間期、期末といったところでは私自身から説明したい」と、財務担当役員出身らしいコメントを冒頭に発した。

アベノミクスは追い風にならず

 セグメント別業績では、三浦氏が「基盤中の基盤事業」とする画像&ソリューション分野の売上高が前年度比0.9%増の1兆6853億円、営業利益は前年度の2.5倍の1379億円。営業利益率は8.2%と、前年度の3.3%から大幅に伸張した。「画像&ソリューション分野においては、利益が上がるような体質へと構造改革が進んだ成果によるもの」(三浦氏)

 だが、こんなことも語る。

 「アベノミクスといわれるが、第4四半期は日本や北米でもそれほど伸びなかった。1月公表値では、通期で販売増によって115億円の営業利益貢献を見込んでいたが、これが48億円にとどまった。国内が計画には未達、海外は新製品のローエンドMFP(複合機)が好評だったものの、これにより単価が減少し、売り上げが落ちた。むしろ、年度末商戦に向けて販促費が増加し、かえって収益が悪化した」

 為替の影響はプラスとなったものの、それでもアベノミクス効果は第4四半期業績には限定的だったようだ。

 一方、産業分野は売上高が前年度比5.1%減の930億円、営業利益は8億円の赤字。その他分野では売上高が8.7%増の1460億円、営業利益は52億円の赤字となった。

 その他分野には、カメラ事業が含まれている。

 三浦氏は「ここは苦しい分野。ペンタックスの買収で売り上げは増加しているが、2011年11月1日に連結化したときに、すでにペンタックスで仕込んでいた製品が空振りしたのが影響している。また、旧リコーのカメラ事業では、コンパクトカメラをハイエンドコンパクトカメラに絞り込むという施策転換の中で在庫の破棄、部品の破棄といったことが起こった。これらが影響し、カメラ事業だけで約20億円のマイナス。結果として、第4四半期では、その他事業全体で29億円のマイナスになっている」とした。

 コンパクトカメラのローエンドモデルは、外部に開発、生産してもらい品揃えは続けていくという。

 だが、「(デジタル一眼の)PENTAX K-30とPENTAX K-5II、(ミラーレス一眼の)PENTAX Q10、そしてGRは、リコーとペンタックスが一緒になってから開発を始めたもの。それぞれに特徴があり、すべて好調である。Q10はミラーレス分野でトップシェアを獲得した。しかし、まだ弱い部分もある。2013年度はここを強化し、事業貢献することを期待している」と語る。

 とはいえ、利益確保にはまだ時間がかかりそうだ。

 三浦氏は「カメラ事業は、2013年度においても利益貢献は想定していない。2013年度は販売台数と売上高を増加させ、シェアを取ることを優先し、利益はブレークイーブンを目指す。赤字は出すなということ。日本では成果が出ているが、欧米では、まだ頑張り切れていない」との見方を示した。

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