コンピューティング大手のIBMは米国時間6月4日、クラウドコンピューティング事業の強化を目指し、SoftLayer Technologiesを買収すると発表した。
買収契約の金銭的条件は明かされなかったが、The Wall Street Journalはこの取引に詳しい人物の話として、買収額は約20億ドル相当だと報じた。
IBMは今後、同社のGlobal Services組織内に新たなクラウドサービス部門を設置する予定で、ここにSoftLayerを単独企業として配置する。SoftLayerは、IBMが保有する他のクラウドサービスをつなぐ役割を果たすことになる。
IBMによると、今回の買収は顧客向けにパブリッククラウドとプライベートクラウドを統合する同社の能力強化に役立つもので、これによって中小企業の総合的なパフォーマンスとセキュリティに恩恵をもたらすという。
IBMがSoftLayerを選んだ理由は、SoftLayerのパブリッククラウドサービスが備えるスピードとシンプルさを、企業水準のセキュリティと信頼性を提供するIBMの「SmartCloud」ポートフォリオと組み合わせることが、IBMの顧客にとってより簡単かつ迅速になるからだ。今回の買収はさらに、「Linux」のようなオープンスタンダードにさらに注力することによって、IBMがオープンソースのクラウド基盤「OpenStack」への対応範囲を拡大させるのにも役立つ。
テキサス州ダラスを拠点とするSoftLayerは、2005年に設立された。同社は現在、米国、欧州、アジア地域で、13カ所のデータセンターから推定2万1000社の顧客にサービスを提供している。
この買収は2013年第3四半期に手続きが完了する見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。