ノークリサーチは7月4日、中堅・中小企業におけるビジネスインテリジェンス(BI)活用に関する調査結果を発表した。 ERP導入済みの企業にBIを導入するべきであることや、一般社員が気軽に使えるBIの導入が求められており、そのためにユーザーインタフェースの使いやすさがカギになることを指摘した。
BI導入で実現したいこととして「一般社員がさまざまなデータを手軽に集計/分析できる環境の構築」(39.3%)が最も多かった。あらゆる場面で、データに基づいた意思決定が求められていることを裏付けると分析する。 次に「経費精算データを集計/分析することによるコスト削減の実現」(21.3%)や「製造ラインのセンサ情報を集計/分析することでの稼働率向上」(20.3%)が続く。経理部門や製造部門がERPに蓄積したデータの活用にBIの利用を想定していることを示しており、BIのビジネスを手がける企業は、ERP導入済みの企業に提案すると有効との見方を示している。
BI活用に関連して実現したい「目的」や解決したい「課題」
一方で、「集計/分析の対象となるデータの所在がわからない」(12.3%)、「集計/分析すべきテーマそのものが設定できない」(11.3%)といった課題もある。中堅・中小企業においては「どのデータが重要であるか集計や分析をしてみないと分からない」ことがうかがえる結果となった。この結果に対し、ノークリサーチは「中堅・中小企業に必要なのは、大きな負担なく試行錯誤が行える環境であり、今後BIツールには作成された複数のプロジェクトを比較し、さらに分析を加えるなどの機能強化が求められるのではないか」と指摘する。
さらに全社向けのBIでは、一般社員がデータにアクセスして集計/分析できる環境を構築するだけでなく、データ活用にへの動機付けを目的とした社員教育なども必要となるとしている。
同調査は、年商5億から500億未満の国内企業1200社、BIが有効に機能しやすい構造化されたデータを所持していると考えられる「ERP導入企業の担当者」を対象とし、2013年の4月から5月に行われた。