米CA Technologiesは、運用、性能管理分野において高い実績を持ち、メインフレームからクラウド環境までを包括的に扱っている。クラウド化の進展により、サービス品質が十分に確保され、稼働が停止したりするような事態が起きない環境の構築がよりいっそう求められている。多様な、新しい発想の具現化で、IT産業が激しく動いているなか、同社はこれから、どのような方向に進んでいくのか。CA Technologies サービスアシュアランス事業部 ジェネラル・マネージャーのMike Sargent氏、アジア・太平洋・日本地域 サービスアシュアランス担当バイスプレジデントのStephen Miles氏に聞いた。
SNSがエンドユーザーを強力に支援、悪い経験をした顧客は二度と戻ってこない
--市場全体の動きをどう見ているのか。
Sargent氏: 市場に大きな変化が起きている。モバイル、クラウド、SNSの台頭など、イノベーションにより、企業は顧客とさまざまな接点を持つことができるようになった。そこで、企業は必死でアプリケーションを生かし、顧客を取り込もうとしている。そのような努力により新たな顧客を得ることができるのだが、一度獲得した顧客を維持するには、顧客の経験をより豊かにしたり、サービスアシュアランス(品質保証)を充実させなければならない。
サービス・アシュアランス事業部 ジェネラル・マネージャーのMike Sargent氏
これまで企業というものは、多様なITのドメインを用い、顧客の経験をモニタリングし、その動向を把握してきた。このようにして得られた多くの情報を、企業は顧客の経験をより良くするために活用しなければならない。ここでは、4つの重要なことがある。まず、コンバージェンスだ。多数のデータを収集し、それをうまく、ツールとして活用することだ。次に、強力なデータアナリティクスを通じ、迅速な行動をとること。三つ目は、それが簡単で、行動に結びつけやすいものであること。最後に、ユーザーが容易く情報を求められる状況を創り出すことだ。
CA サービスアシュアランス
--SNSなどの影響は実際、どのようなものか?
Sargent氏: 消費者の力が強くなったため、企業に、プレッシャーを与えるようになり、企業は常に革新を求められるようになった。彼らは、SNSで意見を発信するようになり、欲しいものを欲しい形で求めている状態だ。企業に対する期待値がたいへん高くなってきている。SNSの台頭、モバイル機器のいっそうの普及が、市場の構造を大きく変えている。
アジア・太平洋・日本地域サービスアシュアランス担当バイスプレジデントのStephen Miles氏
Miles氏: この時代、物はトランザクションベースで動いている。いわば、どこの誰といつビジネスをするのか、すべて本人が決めることができるといえるかもしれない。顧客は悪い経験をすれば、二度と戻ってはこない。1社が顧客を囲い込む、かつてのようなベンダーロックインは起こりようもない。自由選択が可能だからだ。顧客の89%が何らかの不満を抱き、別のところに去ってしまうとの統計すらある。悪い経験をすれば、顧客は離れていく。企業が顧客を維持し続けるには、豊かな経験を提供できなければならない。