データアナリティクスは、高い位置へと顧客を導く--CAの戦略 - (page 2)

大川淳

2013-07-31 07:30

 反応型から予測可能型を実現するデータアナリティクス

--データアナリティクスは何をもたらすことができるのか?

Sargent氏: クラウド環境の下で、情報が融合していくなか、強力なアナリティクスを利用して、モバイルなどを介し、分析したデータを提供する。そこで、顧客はさまざまなな洞察を得ることができ、価値を手にすることのできる高い位置へと動いていくことができるのではないかと考えている。われわれは、アナリティクスに多くの投資をしているわけだが、いくつかの領域がある。一つには、APM(Application Performance Management)がある。そして、インフラの管理がある。これらは、それぞれビッグデータを生成しており、ここで当社は主導的な地位にある。ビッグデータの上にソリューションとして載る、運用の分析・管理の分野にも積極的に投資している。

 --日本企業はあまり、データアナリティクスを重視していないのか?

Miles氏: われわれはこうした製品やサービスを、日本に積極的に投入していきたいと考えている。従来、企業はボトムアップで管理をし、情報を集め、事業に役立ててきたのだが、これからの時代は、インフラがますます複雑になり、アプリケーションの種類が細分化され、顧客の経験を豊かにすることの比重が大きくなると、日本企業も変革を余儀なくされ、APMや運用管理を重視するようになるだろう。また、それが事業機会にもつながってくるはずだ。次世代のシステムということで、うまく、このような最先端のモデリング、アナリティクスを活用することにより、トップダウンのアプローチができ、サービスの観点でもビジネスをうまく回せる。問題解決にかかる時間を短縮が大きな目的だが、今後は、反応型から予測可能型にして、問題に取り組むことになり、事前に行動できるようにしたい。これまでとは異なった形式になるため、サービスが劣化しない時代になるのではないだろうか。

 --アプリケーション管理ソリューションの最新版であるAPM 9.5はどのようなものか?

Sargent氏: APM 9.5は、これまでにはなかった製品として投入することができた。アプリケーション・ビヘイビア・アナリティクスと呼ばれる機能は、入ってくるデータを常時監視する、自己学習型のしくみであり、正常なものは何かをカテゴリ別にグルーピングして、正常でないものがあれば、それをすぐに知らせることができる。そして、原因やそのルートまでも調べ上げることが可能だ。直感的でわかりやすいユーザーインターフェースを備えていることも大きな特徴といえる。すでに北米では市場に出しており、日本ではこの秋に提供する。顧客にはよりレスポンスを早めることができるということで好評だ。アプリケーションが企業の生命線となることもある。それを、ただ単にポイントごとではなく統合的に管理しなければならない。当社の製品はサービスベースでしっかり管理できる。APMは非常に充実している。

 --国内で、APMを、どのように推進していくのか?

Miles氏: 経験上、やはり日本は欧米と比べると、APMのような技術への関心については、日本を含めたアジア太平洋地域では数年前まで、やや遅れているとの印象があったのだが、どちらかといえば、アジア太平洋地域は、APMの技術というよりは、コアのインフラの管理に、より重点を置いているようだった。しかし、ここ数年は、アジア太平洋地域でも、APMへの取り組みも進んできて、インフラ管理とAPMをあわせて、一つのシステムとして統合管理していきたいとの動きがみられるようになってきた。それをシステマティックにやっていくことが求められるているので、APMを含めて、統合型のアプローチで、製品やサービスを提供していくことができる土壌ができてきたと感じられる。

Sargent氏: APM9.5は、基本的に能力は十分であり、日本でそのまま適用できる。アジャイルベースの開発プロセスを採用しており、顧客に対し、ポイントごとにレビューし、グローバルに確認をとれる。日本特有でなく、グローバル対応が可能だ。さらに新たなリリースを計画しているが、このリリースをベースにしており、容易さがキーワードとなる。負担なく楽に導入できて使いやすいことが重要だ。無論、コンバージェンスやアナリティクスにも注力していく。

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