IDC Japanは8月19日、国内仮想化ソフトウェア市場の2012年の実績と2017年までの予測を発表した。2012年の実績は531億2500万円、2017年には1000億円規模に達すると予測した。
IDCは仮想化ソフトウェアを「バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア」と「バーチャルクライアントコンピューティング」の2つに分類している。
前者のバーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェアは、一般的に言われるハイパーバイザであり、サーバ仮想化やデスクトップ仮想化、クラウド基盤を実現するソフトウェア。ここでは、有償ライセンスや有償サブスクリプションで提供されるソフトウェアだけを売上額のカウント対象としている。
後者のバーチャルクライアントコンピューティングは、従来のデスクトップ環境を改善するための一連のソフトウェア。具体的にはプレゼンテーション仮想化、アプリケーション仮想化、デスクトップ仮想化といった技術を指している。
2012年~2017年 国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測(提供IDC)
2012年の国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場規模は、前年比28.6%増の360億9000万円であり、2012~2017年の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は14.9%と予測した。 同市場は、大手企業でのプライベートクラウドの構築、中堅企業での仮想化拡大で成長し2017年の市場規模は721億円になるとした。「多くの企業で仮想基盤が標準になっていき、2013年以降も高い成長が継続する」(IDC)。
2012年の国内バーチャルクライアントコンピューティング市場規模は、前年比17.2%増の170億3500万円、2012~2017年のCAGRは10.4%と予測する。同市場ではプレゼンテーション仮想化は約70%を占め、2012年は前年比12.8%増だった。
デスクトップ仮想化は前年比39.4%増と大きく伸び、20%強の構成比を占めるという。デスクトップ仮想化の2012~2017年のCAGRは22.0%、2017年には98億円となり、バーチャルクライアントコンピューティング市場合計280億円の約35%を占めると予測する。
IDC Japanは「日本の仮想化ソフトウェア市場の成長スピードは世界で最も早い地域の1つだが、単なるサーバ統合で終わってしまうユーザー企業も多い」とした。