1980年代からITサポートはこう変わった--10の変化を振り返る - (page 3)

Jaime Henriquez (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2013-08-28 07:30

 ネットワーク接続がオプションから必要不可欠なものになるにつれて、ユーザーのネットワークに対する態度も変わってきた。あらゆるインフラと同じように、人々はネットワークを、何も考えなくても当たり前に「そこにある」ものであり、中断したり故障したりはしないと考えるようになった。この新しい期待と、ネットワーク障害の影響が大きくなっているという現実が組み合わさることによって、問題の中心は、個々のPCの問題から、ネットワークアクセスを維持する手段(事前に準備されるか、対症療法的なものかを問わず)に移った。技術サポートの心配は、電力会社や水道局といった、インフラ事業者のものに似てきている。問題は多くの場合、人々に機器の使い方を教えることではなく、人々が依存しているサービスの普及や改善の方にある。

10.技術サポートがインフラの一部になりつつある

 ユーザーが賢くなり、標準化が進んだのに加え、ネットワークアクセスによって、一次的なユーザーサポートは、電話やネットワーク経由で提供される、回答が用意されているヘルプデスクに任せられるようになっている。ユーザーのいる場所に行くことは少なくなっており、これが技術サポートの性質を変えた。1980年代には、ほとんどのユーザーが自分のアドレス帳に「コンピュータ係」を1人は持っており、この人物がコンピュータの入手方法を教え、必要ならトレーニングを行い、新しいハードウェアを設置し、問題があるたびに電話で質問されていた。その中でも最高の人たちは、頼れる優秀な自動車メカニックのように扱われ、その人物の名前は好意で友人にも伝えられたりしていた。

 今では、同じ人から技術サポートを2度受けることは、(同じ問題に対してさえ)ほとんどなくなっている。彼らは声や、画面上のメッセージだけの存在だ。もし遠隔から問題が解決できなければ、技術サポートはそれに対処する第3(あるいは第4)の人間を送り込む。個人的な関係よりも、競争力やスピードの方が重要なのだ。「とにかく直してくれ・・・今すぐ」といった具合に。

技術的進歩

 パーソナルコンピュータとネットワークが単なるインフラになるまでには、まだ10年か20年かかる可能性が高いが、今後その方向に向かうことは明らかだ。それらは、日常生活の背景になり、電灯や水道、鉛筆と紙のように、普段は無視されるものになろうとしている。技術サポートもまた、電柱に注意を払うものがいないように、背景に溶け込んでしまうが、トラブルが起これば、どこからともなく顔のない人間が現れて、即座に普段の状態に直して帰って行く。この記事は、30年前には個人の努力と専門性、そして個人的な人間関係を必要としたものを、今では多かれ少なかれ自動的に行われるものにまでした、技術的進歩に捧げるものだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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