日本IBMは9月11日、x86サーバの「IBM System x」シリーズの新たなラインアップとして、データセンターにおける電力、温度、重量などを管理しながら、画像処理能力を高めるためのGPUの変更や、ストレージの拡張ユニットによる増強など柔軟な構成ができるなど、高密度を特徴とするサーバ製品「IBM NeXtScale System」を発表した。
データセンターやクラウドサービスなどの大規模なコンピューティング環境や、金融、製造、エネルギー、医療、学術などの高いコンピューティング能力を必要とする分野に適した製品としている。
NeXtScale Systemは、19インチ標準ラックに搭載可能な6Uサイズのエンクロージャー「NeXtScale n1200 エンクロージャー」にコンポーネントを格納してシステムを構成する。各コンポーネントはハーフサイズに統一されるため、用途に合わせた柔軟なシステム構成が可能になるという。
加えて、1Uハーフサイズのサーバ「IBM NeXtScale nx360 M4」も発表。Intel Xeon プロセッサ E5-2600 v2 製品ファミリーを採用し、1Uあたり従来比3倍のコア数を搭載できる。一般的な42U標準ラックに最大84台、2016コアを搭載でき、データセンターにおけるサーバ設置スペースを節約できるという。
電源や冷却ファンなどの部品はエンクロージャー内で共有でき、システム全体の部品数を削減することで重量を軽減する。例えば、床耐荷重600㎏の場合には、搭載サーバ台数を約40%増やせる。
システム構成の自由度も特徴だ。NeXtScale Systemでは、NeXtScale nx360 M4がサーバの基本機能を提供し、ビジネス環境の変化などに応じて、大容量の画像をより高速に処理するために、GPUを汎用化した「General-Purpose computing on GPU(GPGPU)」、ストレージなどの拡張ユニットによる増強が可能としている。
IBMは、ソーシャルメディアやモバイル機器が生じる膨大なデータによって得られる情報がビジネスに大きな影響をもたらすといわれる中、大規模データセンターとそれらを活用するクラウドサービスや、クラウドサービスに最適なシステム基盤の必要性が高まっているとする。ビッグデータを高度に分析するテクニカルコンピューティングの分野においても、システム基盤の強化が求められていると製品提供の背景を説明した。
最小構成価格は126万円。同日から日本IBMとIBMのパートナー企業が販売し、10月28日に出荷を開始する。