日本IBMは8月20日、仮想化環境における入出力処理用ソフト「FlashCache StorageAccelerator」の提供を開始すると発表した。税別の最小構成価格はサーバ1台あたり65万1000円。8月29日から出荷する。
FlashCache Storage Acceleratorは、x86サーバ「IBM System x」に搭載するフラッシュストレージへ使用頻度の高いデータを蓄え、データ読み出し用のキャッシュとして利用するソフトウェア。ソリッドステートドライブ(SSD)などを搭載したSystem xにインストールし、フラッシュストレージに使用頻度の高いデータを蓄えると、データ読み出し用の高速な記憶装置として利用できるようになるという。
これにより、通常より最大2倍の仮想サーバを実行できるようになり、仮想化環境を構築時の物理サーバ削減やストレージ関連コストの削減が可能という。また、既存の共有ストレージの読み込みパフォーマンス向上にも寄与し、導入にかかる作業負荷や運用の変更を抑えながら、仮想化環境でのシステム全体の処理性能の向上が図れる。さらに、サーバからサーバへの仮想マシンの動的移行にも対応しており、仮想化環境におけるフラッシュメモリ資源を有効活用できるとした。
例えば、高負荷なアクセスが発生するために専用サーバで構成されることが多いデータベースやメールサーバなどを仮想化して統合しし、同製品を適用すると、設置スペースや消費電力の低減、運用の簡素化などが可能という。
IBMは同製品開発の背景として「仮想化技術を活用したサーバ統合では、サーバの統合率が上がるほど、入出力処理の要求が高くなるため、入出力を高速にする目的でハードウェアを増設しなければならず、コストの増大やシステム環境、運用の煩雑化といった課題が生まれているため」とした。
FlashCache Storage Acceleratorは、VMware ESXi 5.0/5,1、Windows Server 2008/2012、Red Hat Enterprise Linux 5/6に対応している。